ニッケイ新聞 2011年1月15日付け
私は3歳ぐらいのときから今までずっと、ピエダーデ日本語学校で日本語の勉強をしています。
幼稚園のころ、日本語学校に行くことは義務的な事だと思っていました。でも毎日みんなと勉強したり、遊んだりしているうちに、だんだんおもしろくなってきました。みんなと仲良くなって、学校に行くのが楽しくて、私にとって日本語学校はなくてはならないものになりました。
大きくなると、勉強をする意味が分かってきて、もっと頑張り始めました。日本語が分かってくると、ドラマや音楽などが理解できておもしろくなるので、もっと日本語を知りたくなります。日本語を学ぶことで、私は今まで以上に日本語や日本文化を大切にするようになりました。
そして、日本語学校では日本語の勉強だけではなく、多くの文協行事や聖南西の行事があります。たくさんある聖南西の行事の中でも、毎年12月に行われる林間学校はとても大きなイベントです。林間学校は12歳から15歳までの聖南西各学校の生徒達が一斉に集まります。私は、これまでに4回参加しました。そして今年アジュダンチとして、参加することができました。5回参加できたけれど、まだ参加したいです。
3日間でいろんな人と出会い、日本のことや文化を知ることができて、冗談を言い合ったり、笑ったり、怒ったりするけれど、友だちとの時間が一番心に残る思い出となります。3日間という時間は私にとっては、いつも3時間ぐらいの短い時間のような気がします。それぐらい林間学校という行事は楽しくて、いつまでも心に残る大切な思い出になります。
また、2008年の日本移民百周年記念の年には色々な行事が行われ、とてもいい経験になりました。日本祭りでは日本人、日系人、ブラジル人、みんな一緒に祝いました。そこでは、私の所属しているピエダーデ伯龍太鼓の発表もありました。ブラジル中から集まった人達がサンパウロのサンボードロモに集まって、みんなで「絆」と言う曲を演奏した時は、とても感動的でした。
そんな私の大好きな日本語学校も、卒業生になった今、最後の最後になっている気がしています。これからどんな人生を歩んでいくのか、私自身まだよく分かりません。
そんな不安の中、いつも思い出す事は日本語学校で経験した色んな事。毎日の勉強、何度も練習して大きな声で歌った合唱、仲間と共に一生懸命練習したよさこいソーラン、力と心を合わせてみんな一つになった剣道、発表で舞台に上がった時のあの緊張感、発表した後の感動と達成感、みんなと笑ったり泣いたり・・・、本当に色んな経験をして、今はその全てがなつかしく感じます。日本語学校を通してできた、きらきらした思い出と友情は、一生忘れることのできない私の宝物です。
日本語学校で日本語や文化を学んだことや、大切な仲間達と素敵な時間を過ごしたことは、これからの私の人生にきっと大きな力となると信じています。それと同時に、今までこんな素敵な時間を私につくってくれた、全ての人達に感謝したいです。
(弘末真知枝、16歳、三世、ピエダーデ日本語学校)
写真=文協の友人たちと弘末さん(中段右から5番目)