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コラム オーリャ!

ニッケイ新聞 2011年2月26日付け

 中、高絞とも修学旅行の行き先は沖縄だった。
 ひめゆりの塔を見学し、ジメっとした防空壕の中で語り部から戦争当時の話を聞いた。本島からの距離ゆえか、独特の辛い歴史がある島。
 中部に位置する宜野座村は、沖縄県特有の村単位での南米との交流事業の先駆けという。先月も5回目となる南米研修生が来伯した。存在も知らなかった親族の歓迎を受け、沖縄の心をブラジルで感じたという。心温まる話だ。
 同県では10カ村程が南米交流事業を行うが、それらは米軍基地が存在する村が大半だという。
 財政面から切り捨ての対象になりやすい交流事業だが、基地の存在を引き受ける事での裨益がそれを支えている場合も多いのかもしれない。
 その表裏の存在に、基地ある沖縄への思いを巡らし、あの澄んだプライアを思い出した。(秀)

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