【既報関連】ミナス州ブルマジーニョで決壊したダムの強度監査結果が間違っていたとして、1月29日に逮捕されていた監査技師ら5人の釈放命令が、ブラジリアの連邦高等裁(STJ)第6法廷から5日に出されたと、5、6日付現地紙・サイトが報じた。
5人の内2人はドイツ系企業TuvSudの技師アンドレ・ジュン・ヤマダ氏、ナンバ・マコト氏で、残る3人はダム所有会社ヴァーレの従業員ロドリゴ・メロ、リカルド・デ・オリベイラ、セーザル・グランシャンピ氏だ。
5人には殺人罪、環境犯罪、文書偽造の嫌疑がかけられており、30日の期限付きで拘留されていた。今月2日にミナス州地裁に人身保護令適用(=釈放の要請)を出していたが、それが却下されたので、STJに控訴していた。
STJ第6法廷ネフィ・コルデイロ判事は、「5人が捜査の邪魔をしようとした形跡もなく、今後も捜査妨害をする可能性が認められない」とし、5人の拘留に法的正当性がないと判断した。
同判事は「ダム監査技師による強度鑑定」は、「弁護士による助言」や、「医師による診察」などと同等の「技術的意見」と定義した。
その上で、「技術的意見は誤っていたかもしれない。しかし、被疑者が罰せられるためには、その誤った意見が直接被害を引き起こした原因であることが証明される必要がある」と釈放理由を補足した。
ただし、5人が拘留されているミナス州ベロ・オリオンテ近郊の刑務所は、州当局からの釈放命令を受けておらず、6日昼の時点でも5人の正式な釈放は確認されていない。
事故発生から13日目の6日も、事故現場では行方不明者の捜索活動は続いており、同日昼の発表では、死者数は150人、その内身元判明は134人で、182人が依然行方不明だ。