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アマゾン90年目の肖像=「緑の地獄」を「故郷」に=(16)=州政府などが22万レアル支援

2010年に建立されたパラー州初の鳥居

 パラー州都ベレンに到着し、まず訪問したのがアマゾン日本文化交流センター内の汎アマゾニア日伯協会の本部事務局だ。1991年に完成したこのビルは、日伯協会、パラー日系商工会議所、アマゾニア日伯婦人会等の団体が入居している。目印は、2010年に建立された鳥居。今回は日伯協会を訪れた。
 同協会は1958年7月13日に創立。当時、アマゾン全域で僻地の入植地へ入った移民たちを束ねる日系組織の設立が叫ばれ、高拓生指導者の辻小太郎が初代会長に就任した。6州31地方を束ね、「日伯文化交流」「同胞融和」「子弟教育」の3本柱を軸に活動を開始した。

堤剛太副会長、生田勇治会長

 現在の会長は生田勇治氏(72、山形県)。8歳で渡伯し、パラー連邦大学医学部を卒業した。日本の大学でも研修を受け、日ポ両語を使いこなす頼もしい現役の形成外科医だ。本業と並行して90周年事業の準備を行っており、多忙を極めている。
 そんな生田会長を支える1人が、アマゾニア日伯協会の前事務局長、現在は副会長を務める堤剛太氏(71、宮崎県)だ。開口一番「サンパウロから来たらここは寒いんじゃないですか」ときた。堤さんの飄々とした独特な言い回しは、接する相手を飽きさせない。
 サンパウロ新聞のベレン支局長を長年務めたジャーナリストの大先輩だ。ベレン取材は1日半と短期間だったが、その間は堤さんが各地を案内してくれた。
 向かった先の一つは、在ベレン領事事務所だ。「アマゾン地域の領事館では、9月の式典3日間に集中。今は皆さんと式典準備を行っている最中です」。90周年事業について尋ねると、浜田圭司所長がそう答えた。

アマゾン日本文化交流センター

 領事事務所では国際交流基金と共催し、パラー州立文化基金(CENTUR)で日本映画の上映を行うことになっている。浜田所長と共に応対した相澤寛明領事は、「上映予定は4本。漫画原作が映画化された『帝一の國』(2017)など最新のものを上映する予定です」と説明する。
 さらに、日本から福岡県国際交流センターの福島明彦専務理事、「アマゾン開拓の父」上塚司の孫である上塚芳郎(よしお)さん、さらに個人でも10人が式典に駆けつけ節目の年を祝うという。国際交流センターからの招聘で、ニューヨーク在住の日系アメリカ人4人が太鼓や琴などのアンサンブルを披露する。
 気になる総領事館昇格に浜田所長は、「今すぐにはできないが、地元の希望は大きいのは承知している」としており、今後の進展に期待したい。
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90周年記念祭パラー実行委員会の会議の様子

 アマゾン日本人移住90周年記念祭パラー実行委員会では、必要に応じて会議を行っている。この日の司会は丸岡義夫さん(72、東京都)。元日伯協会会長で、アマゾニア日伯文化交流センター建築に貢献。また、北伯日本語普及センター初代理事長を務めた。
 参加したのは、日伯協会、婦人会、商工会議所、アマゾニア日伯援護協会、パラー熟年クラブなどの各日系団体代表。太鼓や琴の会など式典でアトラクションを披露する団体の代表も合わせ、15人が出席した。
 7月24日時点の資料によれば、名誉総裁は駐ブラジル特命全権大使、名誉副総裁はジャーデル・バルバーリョ上院議員、祭典総裁はヘルデー・バルバーリョ州知事が務める。ベレン市長、パラー州文化局長なども参加予定だ。
 表彰では、90周年祭典委員会表彰は50人、日本政府外務大臣表彰で2団体、駐伯日本公館長表彰が2人、パラー州政府表彰は9人の予定。
 会議で発表された予算は39万レアル(1020万円相当)、そのうちパラー州政府が10万レアル、小川レナト州議員が9万レアル、零細企業支援サービス機関(SEBRAE)が3万レアル、合計22万レアルが支援金だ。9月10日時点で堤さんによれば「まだ集まっていない。あくまで予算なので、もう少し少なくなる可能性もある」。
 これだけブラジル社会からの支援金が多いのも、日系人の功績が認められているからだろう。5月に来社した生田会長が言っていた「パラー州政府にも日系人に敬意を表してもらいたい」という言葉通りの展開になった。(つづく、有馬亜季子記者)

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