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アマゾン90年目の肖像=「緑の地獄」を「故郷」に

アマゾン90年目の肖像=「緑の地獄」を「故郷」に=(17)=北伯の最新技術を導入する日系病院

  まだマラリア罹病患者が多く見られた1959年、日本海外協会連合会アマゾン支部では移住者の医療面でのサポートとして、アマゾン各州の日本人移住地で巡回診療活動を行っていた。この延長線上に、アマゾニア病院の前身、日伯実費診療所があった。   62年には法律的な問題から海協連を表に出せず、日伯協会が名義を貸したために「汎アマゾニア日 ...

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アマゾン90年目の肖像=「緑の地獄」を「故郷」に=(16)=州政府などが22万レアル支援

 パラー州都ベレンに到着し、まず訪問したのがアマゾン日本文化交流センター内の汎アマゾニア日伯協会の本部事務局だ。1991年に完成したこのビルは、日伯協会、パラー日系商工会議所、アマゾニア日伯婦人会等の団体が入居している。目印は、2010年に建立された鳥居。今回は日伯協会を訪れた。  同協会は1958年7月13日に創立。当時、アマ ...

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アマゾン90年目の肖像=「緑の地獄」を「故郷」に=(15)=ベレン式典、北伯一豪華な平和劇場で

 今回のベレン・トメアスーの事前取材は、アマゾン日本人移住90周年記念祭パラー実行委員会(生田勇治祭典委員長)の協力によって実現した。冬のサンパウロから飛行機に乗り約4時間、到着したベレンは暑く日差しが眩しい。空港まで迎えに来てくれたのは、汎アマゾニア日伯協会(生田勇次会長)の伊藤真美事務局長だ。  伊藤事務局長はパラー州アカラ ...

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アマゾン90年目の肖像=「緑の地獄」を「故郷」に=(14)=起死回生の森林農法

 「ここが舗装されていないので車の故障や事故も多い。パラー州政府は今年度の予算に組み込んでいると言いますが、動きはないですね」。車で第二トメアスー移住地に向かう途中、運転する林さんからそう説明された。  第二トメアスー移住地への道は土がむき出しだ。アマゾン移民90周年、第二トメアスー移住地が建設され50年以上経つが、一度も舗装さ ...

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アマゾン90年目の肖像=「緑の地獄」を「故郷」に=(13)=トメアスー唯一の日系病院

 入植当初からマラリアなど風土病に悩まされたトメアスーの歴史は、病院なしには語れない。  「アカラ植民地では、その諸経費中の五〇%が、病院、衛生費であった時もあり罹病率八〇%に達し、植民者の事業計画を根底よりくつがえした」(『トメアスー開拓70周年記念誌』99頁)。  トメアスー文化農業振興協会会館の隣りには、マラリア対策の一つ ...

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アマゾン90年目の肖像=「緑の地獄」を「故郷」に=(12)=トメアスー唯一の私立初等学校

 「地域に根ざした子弟教育に取り組む」ことを目的として、文協の敷地内にあった学生寮を改修し、2002年2月3日に「日系学校」が創立された。地方には珍しい私立校で、日本の小学生から高校生に相当する生徒が通っている。先生は8人、生徒は177人。生徒の62%が非日系人だ。  「日系人の学校らしく時間厳守に力を入れている。私立にしては授 ...

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アマゾン90年目の肖像=「緑の地獄」を「故郷」に=(11)=三世校長が就任した日本語学校

 「外国人は10人寄れば倶楽部を作りたがるが、日本人は7、8家族寄れば先ず学校を建てる」という言葉は、トメアスー移住地において決して大袈裟ではない。1929年の第一回移住者の入植時には先ず父兄会が発足し、移民収容所で第一回移住者の丸弘毅氏(元教員)を校長として週3回午後に日本語(国語)の教育が始まった。  それから90周年が経ち ...

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アマゾン90年目の肖像=「緑の地獄」を「故郷」に=(10)=眞子さま来訪で大活躍の婦人部

 各日系団体で縁の下の力持ちとして活躍する婦人部。トメアスー移住地でも同様に、トメアスー文化農業振興協会(ACTA、文協)とトメアスー総合農業共同組合(CAMTA)では、それぞれ婦人部が組織され活躍している。  「CAMTAの婦人部は組合員なので、文協より非日系人が多いんですよ」と教えてくれたのは、両団体の婦人部を掛け持ちするC ...

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アマゾン90年目の肖像=「緑の地獄」を「故郷」に=(9)=90周年でチョコレート生産開始

 1929年に南米拓殖株式会社がアマゾン開拓に乗り出した時、最初の営農作物はカカオに設定していた。だが当時カカオ栽培は失敗し、主軸となる商品作物を探して入植者は苦闘の歴史を重ねた。あれから90年、今年トメアスーはカカオ特産地に指定された。グルリと一周回って原点に還ったようだ。  CAMTAでは、トメアスーの入植者の生活を左右した ...

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アマゾン90年目の肖像=「緑の地獄」を「故郷」に=(8)=移住地経済の要CAMTA

 トメアスー文化農業振興協会(ACTA、文協)の会館前の道路を挟んで、トメアスー総合農業共同組合(以下CAMTA)の建物がある。こちらの入口前には、南米拓殖株式会社の初代社長、福原八郎の銅像が設置されている。54年のトメアスー移住地開拓25周年祭で、当時のトメアスー産業組合(現トメアスー総合農業共同組合)によって建立されたものだ ...

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