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生活習慣病=骨粗鬆症=カルシウム摂取不可欠=適度な運動も忘れずに

健康広場

7月28日(水)

  「日ごろから体を動かす習慣がない」「腰や背中がだるく痛むことがある」ーーこんな症状に覚えがある人は骨粗鬆症にかかる恐れがある。骨が穴だらけになり、鬆が入ったような状態になり骨がもろくなる症状だ。恐ろしいのは軽度の転倒でも、簡単に骨が折れ寝たきりにつながることで、特に女性に目立つ。高齢者に限らず、閉経後の女性も注意して欲しい骨粗鬆症も、日ごろの生活習慣が大きな鍵を握る。
 【症状】
 まず、表1に注目して欲しい。こうした例に数多く当てはまる人は、骨粗鬆症の予備軍だ。特に背中や腰がだるく、痛みを覚えるという人は初期症状の可能性がある。
 骨に含まれるカルシウムの量が減少して、骨がスカスカした状態になる骨粗鬆症。女性に目立ちやすく五十代で21%、六十代で48%、七十代で67%、八十代で84%もの高い確率で罹りうる。
 【原因】
 人体中のカルシウムの99%は、骨と歯に蓄えられているが、体の様々な働きを保つために、血中にも一定のカルシウムが存在する。しかし、食生活でカルシウムを補給せず、血液中のカルシウムが不足すると骨が溶け出すことで血中のカルシウムを補填。その結果、骨のカルシウム量が減少して、骨粗鬆症に至るというわけだ。最近、ダイエットに励む若い女性にもこうした症状が目立つのは、このような理由だ。
 では、どうして中高年の女性にも目立つのだろうか。もともと女性の骨は男性より細い上に、閉経後には本来、カルシウムの吸収を助ける女性ホルモン、エストロゲンが急激に分泌低下。さらに妊娠・授乳期などカルシウムを大量に消費する時期があることが理由と考えられる。
 男女を問わない生活習慣としては、加工食品に含まれる添加物には、取りすぎると骨を溶かすリンが多く含まれており、食べ過ぎると骨を溶かすホルモンが分泌するので、インスタント食品の摂取には気を付ける必要がある。
 【生活習慣への助言】
 まず最初に考えなければいけないのは、日本人は圧倒的にカルシウムが不足しているという事実。これはブラジルでも変わらない。むしろ、魚を食べる頻度が日本よりも少ないことを考えれば、日本以上にカルシウム対策には配慮する必要がある。
 成人で600ミリグラム、妊娠・授乳期で900~1100ミリグラム、閉経後の女性は800~1000ミリグラムを目安に摂取しよう。表2に上げる食品のカルシウム量を参考にして欲しい。
 次に必要なのが、定期的な運動だ。といっても、決して無理な運動をする必要はない。散歩やゲートボール程度の軽いものを毎日三十分間、無理せずに続けて欲しい。適度な負担を骨にかけないと、食事で取ったカルシウムが吸収されないためだ。
 最後に、ビタミンDの重要性を強調したい。骨がカルシウムを吸収するには、ビタミンDが欠かせない。ビタミンDは、日光に当たることで体内で生み出される。運動中でもいいから、一日に何十分か、太陽の下に出る習慣をつけたい。ビタミンDは、干し椎茸やサンマなどの青魚、卵、レバーなどにも含まれる。
 【早期発見には】
 骨粗鬆症の恐ろしさは、何と言っても骨折による寝たきりを引き起こすことだ。一位は脳卒中、二位は老衰、三位が骨粗鬆症による骨折だ。特に大腿骨を折ると、寝たきりになる確率は非常に高い。前記したような、腰や背中の痛みに覚えがある人は、早急に医師にかかって欲しい。
 また、X線の照射やかかとの骨に超音波を当てることで骨量は簡単に調べられる。こうした検査で、中高年の人は骨量を知り、医師などから生活習慣のアドバイスを受けるのがよい。

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