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風邪に負けない体力づくり=民間療法も効果的

健康広場

7月28日(水)

  前回までは風邪のメカニズムや予防法などを検証した。「風邪に効く特効薬はない。予防が一番」とは言ったものの、実際風邪にかかってしまう人は多い。特にサンパウロのように冬場でも一日の温度差が激しく、空気が乾燥しやすい地域ならなおさらだ。
 ひいてしまった場合にはどうするかーー今回は、風邪のひき初めの対策などを考えよう。
 「全身がゾクゾクと寒気がする」「鼻水が止まらない」「喉が痛い」などは典型的な風邪の初期症状。この段階でくい止めるのが、理想的だ。
 まず体を冷やさないように暖かくして、睡眠をしっかり取ることを忘れずに。また、栄養補給はもちろんのことビタミンCもしっかり摂取したい。
 大人は少しの熱でもだるさを覚え、辛いが熱は体に侵入したウイルスと闘っている証拠。38度ぐらいまでの熱は我慢したい。
 ゴホンゴホンと続く咳も、うっとうしいが熱同様に体がウイルスと闘っている証拠なのだ。
 ただし、強い咳や無理に出す咳は体力を消耗させるので要注意。意外かも知れないが、咳は1回当たり4カロリーを消費、咳4回で100段の階段をのぼるのと同じ運動量に値する。横隔膜の動きを意識して、なるべく負担をかけない咳の出し方を心がけたい。
 環境づくりも大切だ。
 冬場の風邪のウイルスは湿度に弱いーー。このため加湿器を用いて、室内湿度を60~80%に保とう。加湿器がない家庭も多いとは思うが、やかんや鍋にお湯を沸かし、湯気を利用してもよい。
 日本古来伝わる民間療法も、初期の風邪なら効果的な場合が多い。
 代表的なのがしょうが湯と卵酒。しょうが湯は、すり下ろしたしょうが一片と刻んだ長ネギ少しを湯飲みに入れ、お湯を注いだ物。卵酒の作り方は、日本酒一合程度を鍋に入れ、沸騰させる。これに卵を割って入れ火を止めてから、好みですり下ろしたしょうが野砂糖を入れる。
 これらに共通するのは、発汗作用で熱が下がると言われる。
 また、ビタミンCを手軽に摂取できる焼きミカンも風邪の初期には試したい。
 皮をよく洗って水気を切ったミカンを、そのまま焼き網にのせ、時々転がしながら弱火で焼く。皮が黒くなったら出来上がりで、そのまま食べてもいいし、果汁を絞って、しょうが汁を加えて飲んでもいい。
 なるべく初期でくい止めたい風邪。ただ、風邪は万病の元とも言われるように、高齢者の場合肺炎などを併発し、死亡することもあるだけに侮れない。次回はインフルエンザなど強い風邪の対策などを考える。

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