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生活習慣病=潰瘍性大腸炎=初期の見極めが肝心=ストレスで症状の悪化も

健康広場

 若者から高齢者まで、幅広い層が罹る潰瘍性大腸炎ーー。原因がはっきりしておらず予防が難しい症状だが、「自己免疫反応の異常」「食生活の変化」などが考えられる。元々は、日本人には少ない病気だったが、近年生活が欧米化することで急速に増加。肉食に偏りがちなブラジルの日系人にも注意が必要だ。早期発見すれば入院の必要がないため、初期症状を知り、自分自身で早期発見するとよい。

 【症状】
 潰瘍性大腸炎は、大腸の粘膜がただれたり、潰瘍が出来たりするもので、進行すると大腸全体に炎症が広がる恐れがある。
 肉食やファストフードの普及に伴い日本でも近年、若い世代を中心に増加中。日本での統計によると約八万人が患者と見られている。一方では十倍以上多い、百万人がこの病気に悩まされていると見られる。
 具体的な症状としては粘液や血液の混じった血便や、一日に十回以上の下痢、腹痛、渋り腹が主だが、発熱や全身の倦怠感、頻脈などを伴うこともある。
 男女差に発病の違いはないが、十五歳から三十歳までの若い世代が一番多く、次に五十歳から七十歳でもう一度増加する。

 【原因】
 原因が特定されていないのが、この病気のやっかいな点だ。日本でも厚生労働省特定疾患(難病)の一つに指定されていることからもその難しさが分かる。家族内で同じように発病する例もあることから、何らかの遺伝的要因が関係するものと見られる。
 また、外敵から身を守る免疫機能が正常に機能しない自己免疫反応の異常、さらに食生活が関係するとも言われるがいずれにしても確実ではない。

 【生活習慣への助言】
 発病の仕組みは不明だが、仕事など日常生活で感じる精神的なストレスが、症状をより悪化させるので、運動や何らかの娯楽的な趣味を持ち、ストレスを貯めない生活が大切になる。

 【早期発見には】
 大腸の粘膜がただれる病気は、他にもあるためまず原因を明確にする必要がある。この病気の初期症状は、便がだんだんゆるくなることが多い。そして便は出血を伴ったり、痙攣姓の腹痛などをもたらす。
 潰瘍性大腸炎なのか、血性下痢を引き起こす感染症によるものなのかは、医師の診断による。症状に覚えがある場合は、専門医を訪れX線や内視鏡による大腸検査、もしくは粘膜の一部を採取し、顕微鏡で調べることになる。
 初期の段階では、薬による内科的治療が一般的。ただ、(1)大量出血(2)大腸が破れる(3)副作用のため薬を使えないーーなどの場合一カ月以上の長期入院や外科的手術を必要とするので初期段階で発見したい。