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骨盤から生じる派生病(2)=肩こりと不眠症=和柔整体博士 中田定和

健康広場

9月1日(水)

 誰でも年を取ると皆同様に「うまい物を食べて好きなことをし、健康で一日でも長く生きたい」と願う。
 その健康の一端を担うものとして、今回は肩こりや不眠症、寝違えは何故起こるのか、をテーマに原因と治療法を述べてみたい。
 「肩がこってどうしようもない」と患者がよく言うが、あまり肩がこると頭まで痛くなる。根気もなくなり、何をしても続かず、すぐ飽きが来る。肩こりに頭痛、不眠症はつきものだ。
 夜ぐっすりと眠れないと頭が重く、体もだるく疲れやすい。いつもイライラして、つま らないことでも腹がたつようになる。食欲もなくなり、何を食べてもおいしくない。このような人が案外多い。
 肩こりは首から肩にかけて筋肉が張って、重苦しい感じに悩まされることを言う。筋肉の圧力が続くと、血管が圧迫されるために血液の循環が悪くなり、筋肉の中にある乳酸などの有害物がたまる。これらが神経を刺激して痛みを引き起こすものと考えられている。
 肩こりと言ってもいろいろあり、肩がこりやすい体質の人はさておくとして、パソコンなどのように一日中同じ姿勢で働く人、神経を使って細かい仕事をする歯医者、テレビなどの修繕をするテクニコなど職業が生み出す肩こり。私はこれらの肩こりを職業病と呼んでいる。
 職業病は日ごろの疲れがたまって起こるもので、まず休養が第一。休暇を取って旅行したり、釣りを楽しんだりして気分転換を図るのが最良だ。そういうことは皆、分かっているが現実には働かなければ食べていけないという人が多い。しかし、仕事から切り離した時間を作ることは心がけ次第でできる。早朝のウオーキングや体操など身近なことから始めればよい。
 不眠症は、これも個人差があるが、私は体調などを崩していつもより睡眠時間が短くなり、よく眠れなくなるのをそう定義している。
 不眠症には四つのタイプがある。(1)床についてもなかなか眠れない(2)夜中に何回も目が覚める(3)ぐっすり眠れない(4)朝早く目が覚める――。
 最近の社会状況から失業したり、強盗にあったり、事故にあったりするとその後遺症が残り、不眠の原因となる。その原因を取り除くと不眠は解消する。
 ここで東洋医学、整体の見地から肩こりや不眠症、寝違えについて述べる。
 「これらの病気は骨盤のズレから生じている」と言ったら信用しないかもしれない。脊柱と寛骨、仙骨、そして大腿骨のあるところを骨盤大腿幹円と呼ぶが、これはちょうど人体の真ん中に位置している。
 筋肉はまず骨に生えるが、筋肉の中にはたくさんのスジや神経が働いていて、これらの神経は内臓に非常に敏感である。
 骨盤大腿幹円が左右どちらかに傾くと体がよじれる。すると筋肉やスジや神経を引っ張る。そこで肩がこり、よく眠れなくなる。胃腸が働かないからガスがたまる。そればかりではなく、骨盤が傾くと後頭骨を支え、頸骨を保護している胸鎖乳突筋が張って、固くなるために寝違えを起こすことになる。
 骨盤大腿幹円のずれがこのようにいろいろな病気を引き起こすことを知って欲しい。骨盤大腿幹円を正しい位置に戻すことで、肩こりや不眠症、寝違えの問題は解決する。もちろん手術などはもってのほかだ。
 整体法の原理は、ゆがみやすい大人の体を出生時の赤ちゃんのような健康な体に整えて、健康を保ち、長命しようという単純な論理である。
 ◎ 東洋医学・NAKATA診療所 住所 RUA BALTAZAR LISBOA 391 VILA MARIANA SAO PAULO 電話 11・5571・4113 5083・6756

 

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