ホーム | アーカイブ | 生活習慣病=前立腺肥大症=排尿障害が特徴=中高年男性は要注意

生活習慣病=前立腺肥大症=排尿障害が特徴=中高年男性は要注意

健康広場

12月8日(水)

 四十代後半に端を発し、高齢者の多くが悩まされる「男の病」前立腺肥大症。加齢とともに進行するこの病気は、発生の原因は不明だが生活習慣の見直しが、予防策につながる。「頻尿」「残尿感」などに心当たりのある中高年の男性はぜひ注意して欲しい。
 【症状】
 前立腺肥大症――。まずこの病気が特別なものでないことを認識しよう。四十代後半で発病しはじめ、六十歳を過ぎる頃になると約半数の男性が「夜間の頻尿」と「放尿力の低下」を訴えるようになり、六十五歳ぐらいから治療を開始。さらに八十歳では約八割が前立腺肥大症になる。程度にこそ差が見られるものの、まさしく男性の「更年期障害」なのだ。
 一期から三期までの症状のうち、自分がどれに当てはまるか振り返って欲しい。
 まず「第一病期」。膀胱刺激期に当たるこの時期では、夜間のトイレの回数の増加や尿がすぐ出ない、時間がかかる排尿障害などの特徴がある。
 続いて「第二病期」では、トイレに行った後でもスッキリしない残尿感が症状となる。
 さらに「第三病期」となると昼夜を問わずトイレの回数が増え、一回の排尿に数分を要することや全く出なくなることさえ起こる。
 【原因】
 男性ホルモンの支配を受ける前立腺。加齢に伴い男性ホルモンの分泌が低下し、ホルモンバランスが崩れると、前立腺の組織が萎縮し、内部が肥大。正常な男性では膀胱のすぐ下にあるクルミ大の前立腺の重さは約二十グラムだが、次第に三十、四十グラムと大きくなるにつれ尿道を圧迫し、排尿に影響する。
 はっきりした原因こそ不明だが、体力と気力が低下し自律神経の働きが鈍ると男性ホルモンの分泌が低下、これにより前立腺肥大の引き金になるとの見方もある。
 【生活習慣への助言】
 肥満や脂肪肝、高血圧などの生活習慣病を治療せず、放置しておくと男性ホルモンの分泌が減り、前立腺も肥大しやすくなるので要注意だ。
 また、不摂生なセ生活やストレスも避けたい。自律神経を活性化させるためには、夜更かしせず規則正しいリズムを保つことも重要となる。
 また、前立腺肥大の兆候がある人は、長時間座ったままの姿勢を保つと前立腺が鬱血し、炎症を起こすことを忘れずに。アルコールも悪化要因の一つだ。
 生活習慣が重要な鍵を握る。体脂肪が増えすぎると、ホルモンバランスが崩れ、男性ホルモンが少なくなるため結果として前立腺が肥大。筋トレなどによって脂肪を減らしたり、筋肉を維持したりする努力をしたい。
 さらに、歩くことで足腰を強化すると前立腺を活発にしてくれる。
 食事も工夫次第では肥大を防ぐ。男性ホルモンを増やすヤマイモや、前立腺を活発化するビタミンB群が豊富なニンニク、ニラ、タマネギなどが効果的だ。
 【早期発見には】
 男性であれば、誰もがかかると言っても過言でない前立腺肥大症。五十歳近くになって、尿の出が悪いなど前述した症状があれば泌尿器科の診察を受けること。受診が遅れると腎盂腎炎や腎盂に水がたまる水腎症などを合併し、腎臓障害を起こすこともある。

Leave a Reply