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ステビア=抗酸化力は緑茶の5倍=ダイエットに留まらない魅力

健康広場

6月1日(水)

 「人生は厳しい──」。確か、そんな書き出しだった。ユニオンジャックの表紙に惹かれて、小説を手にした時の衝撃が忘れられない。まだ成人になるか、ならないかのころのことだ。
 作家アラン・シリトー(英)の「孤独の長距離走者」。産業革命後のイギリスで富める者と、貧しい者との差が広がった。主人公(労働者階級)は、資本主義の弊害に抵抗。マラソン大会で快走して資本家を見返すというストーリーだと、記憶している。
 金があるだけじゃダメ、男は屈強でなきゃ。小説のテーマは、「チャタレイ夫人の恋人」(DHロレンス著)に通じるところがあるかもしれない。
 最近、頭の中で冒頭の言葉を繰り返すことが少なくない。訳あって三月までの半年間、食事制限を強いられていたからだ。ドーセやシュラスコ、カイピリーニャなどを前に、一人伏目がちになるのは惨めだ。
 カフェには、アドサンテを入れている。砂糖はなるたけ、使わない。知人からよく勧められる甘味料がある。ステビアだ。葉に含まれるステビオ・サイドの甘さは砂糖の二百~三百倍であるのに、カロリーは九十分の一だという。
 サッカリンやチクロなど人工甘味料が発がん性を抱えて問題になったことがあるのに対し、天然甘味料なので副作用がない。ダイエット効果のほか、血糖値・血圧降下、利尿作用などが実証済みだ。
 抽出液百ミリリットル中に、二千二百ミリグラムのカリウム無機塩類を含有。抗酸化活性効果に注目したい。そのパワーは緑茶の五倍に上り、生活習慣病や慢性病に有効だと言われる。
 体内で活性酸素の発生が最も多い臓器は、肝心要の肝臓。体内に吸収される酸素の五割が、消費されているのだ。特に慢性肝炎などにかかると、免疫細胞の働きで、活性酸素が過剰生産されてしまう。ステビアが消去を手助けしてくれる。
 メディカル・ジャーナリストの中には、ステビアがC型肝炎に効くと正面から論陣を張る人もいる。医療学会でがんや糖尿病に効果があると発表されており、研究者の間で注目されているのかもしれない。
 原産国は隣国パラグアイ。はるか昔からグァラニー族の間で「Kaa jhee」(甘い草)として知られ、マテ茶に加えられてきた。 人工甘味料に代わるものとして、守田化学工業が着目。七一年に工業化した。三十年余り経った今、ヨーグルトや飲料などに使われるようになっている。
 日本にいるとき、町の自動販売機やコンビニで、ステビア入りの清涼飲料水を購入するぐらいの経験しかなかった。体調を崩したことがきっかけで新たな発見ができ、〃食卓革命〃につなげられると思えれば、怪我の功名だが……。

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