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失明の恐れある緑内障=日系中高年者3割に症状=UNIFESP=田伏教授=「遺伝的に角膜薄い」

健康広場

2005年12月14日(水)

 白内障と並んで、中高年に目立つ眼の病気と言えば緑内障だ。自覚症状がほとんどないため、病気の発見が遅れてしまいがち。放置すれば、失明の恐れがある。治療法の開発に進歩がみられるものの、完治させることはできず、今のところ点眼薬などで病気の進行をくいとめるだけだ。サンパウロ連邦大学(UNIFESP)教授で眼科医の田伏上野恵子さん(44、三世)が今年十月に、四十歳以上の日系人を調査。うち二七%が緑内障にかかっていることが分かり、中高年者に定期検診を受けるよう注意を呼びかけている。
 ボーイスカウト、カラムルーのバザーが今年十月にサンパウロ市内であり、会場で田伏教授が緑内障のキャンペーンをはった。四十歳以上の来診者百七人のうち、約三十人から緑内障の症状がみられた。
 田伏教授によると、緑内障は一般的に眼圧が高くなることによって視神経に障害が起きる病気だ。視神経が冒されていくと、その部分の情報が脳に伝わらないため、視野が欠けていき、治療が遅れると失明してしまう。
 病気の進行はゆっくりとしたもので、自覚症状がほとんどみられないため、早期の発見が難しい。「片方の視野が狭くなっても、別の目でカバーしてしまいますから」と同教授。異常に気付いた時に、緑内障がかなり進んでいることも少なくない。
 眼圧がほぼ一定に保たれているのは、目の前方にある房水が一定の量で絶えまなく流れているため。房水は毛様体でつくられ、水晶体や角膜に栄養を補給する働きを担っている。
 緑内障では、房水が流れでる隅角になんらかの異常が発生。房水の流出口に当たる網目状の部分が目づまりして徐々に流れにくくなり、眼圧上昇が起こると考えられている。ただ高齢化にともなって、眼圧が正常かやや高い値でも緑内障になることも分かってきた。
 田伏教授は「日系人は遺伝的に角膜が薄く、房水がたまりやすいのではないか」と指摘している。日本で、緑内障の患者数は二百万人以上に上る。
 視神経は、一度損なわれると回復することはない。そのため緑内障の治療の目的は、病気の進行を食い止めること。早期に発見してより早く治療を始めることが、失明を防ぐ決め手になる。治療は主に点眼薬。レーザーや手術の技術も日々進歩している。
 眼科専門医による眼圧・眼底・視野検査を、定期的に受けるのが予防には不可欠。田伏教授は「四十歳を過ぎたら、毎年一回は検査を受けてほしい。特に血圧の低い人や近親者に緑内障の患者がいる人は、注意が必要です」と話す。
 田伏教授はJICAを通じて、東大と慶応大にも留学。日本語も理解できる。国際眼科学会が〇六年二月にサンパウロ市内のホテルで開かれ、世界中から権威のある研究者が集まる見込み。サンパウロ市が会場になるのは初めて。田伏教授が学会中に、調査結果などを発表する予定だ。
 問い合わせ電話番号=11・5585・9119(Av.Indianopolis2244番)。

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