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応急手当の仕方~とっさの時に戸惑わない~=連載(2)=医薬品の誤飲=異状があれば病院へ

健康広場

2006年3月8日(水)

 加齢によって様々な病気が表れやすく、それに伴って医薬品の服用も増える。高齢者が一日に飲んでいる薬の数は平均四つだと、以前講演会で耳にした。
 もちろん医師の処方に従って適切に服用しなければ、効果はない。しかし多種の医薬品が必要になれば、時間や量などを混同しがち。誤飲することもあるのではないだろうか。
 援協総合診療所の矢島カルロス前所長(内科医)は「お年寄りと子供は、一人で医薬品を飲ませたらダメ。保護者の立場にある人が責任を持って、しっかり管理してほしい」と注意を促す。
 特に、高齢者は視力が衰弱。誤って、ほかの薬を口に入れてしまう恐れがある。紙などに服用方法を記しておくのも、一案かもしれない。
 処方箋に記述された医師の字が判読できないのも、誤飲を誘発する原因の一つ。ガルボン薬局の新井静江さんは「一つの文字が違うだけで、全然異なるものになる場合があります」と話す。誤って購入した消費者から問い合わせが入ることもあり、事前の確認が求められそうだ。
 薬の種類にもよるが、誤飲すると何らかの反応がみられるそうだ。降圧剤を必要以上に服用すると血圧が下がりすぎて点滴を打たなければならないし、睡眠薬にも血圧降下作用が働く。
 自己流の判断で、対処するのがもっとも危険。「ベッドに横になっていれば、じきに回復するというものではありません。薬によって何かアレルギーのようなものが認められたら、すぐに救急に駆け込むべき」と、矢島前所長は警鐘を鳴らす。
 医薬品による事故を未然に防ぐための注意点などは次の通り。
 (1)服用前に必ず有効期限を確認する。
 (2)ラベルや説明書がなく、包装が破損しているような医薬品は飲まない。
 (3)医者が昔に出した処方箋で薬を買わない。
 (4)きちんとした指導がないのに薬を混ぜない。
 (5)医薬品を購入する前に副作用について聞く。
 (6)違和感を感じたら、直ちに医者か薬剤師に相談する。
 (7)乳幼児、妊婦、母乳を与えている母親は医師の処方なしに医薬品を服用しない。   (つづく)

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