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腹囲測定で心臓病予防=IMCより評価得る=半数以上に黄色信号

健康広場

2006年4月19日(水)

 心臓疾患と肥満の相関関係がよく指摘される。心臓疾患のリスクが高まる目安として、意外に知名度が低いのが腹囲。男性で九十センチ、女性で八十センチ以上になると、〃黄色信号〃が灯る。国内では半数以上が、基準値をオーバーしているのが現状だ。肥満になると血液循環にかかる、心臓の負担が増大。心筋梗塞などを発症させる因子になる。運動不足を解消するなどして、肥満の予防に努めたい。
 ブラジルを含む、メキシコ、中国、ポルトガル、米国など世界二十七カ国で一万六千人以上を対象に、肥満と心臓病の関係についての認識度調査が実施され、健康雑誌「VIVA SAUDE」に掲載された。
 健康状態を測る基準について、六六%が「体重計」、一六%が「衣服のサイズ」、一〇%が「鏡」、六%が「IMC指数」(体重を身長の二乗で割った値)と返答。「腹囲」は、わずか一%に留まった。どちらかといえば、回答者が美容を重視しているということだ。
 肥満は高コレステロール、糖尿病、高血圧などの原因になる。米国での調査によると、これらの因子をもって、しばしば内科の診察を受けているのは、腹部が出ている人。皮下脂肪でなく、臓器につく脂肪が危険だ。
 脂肪のつき方は、人のタイプによって異なる。大まかにいって、「りんご型」と「なし型」に分類することが可能。前者が腹部に、後者が臀部に脂肪がたまる。「りんご型」が、心臓・脳血管障害を引き起こしやすい。
 腹囲はどうやって測るか。衣服をとってベルトを緩め、巻尺を背中から臀部の上方に回す。腹部をリラックスさせて、息を吐いた後に測定する。
 リスクが高まると考えられる値は、男性は九十センチ、女性は八十センチ。それぞれ百二センチ、八十八センチ以上になると〃赤信号〃が点滅する。
 ブラジルで十八歳以上の男女千二百三十九人を対象に実施された調査で、「腹囲」の基準内だったのは、男性五五%、女性三〇%だけだった。
 「腹部の肥満を取り除くことで、ブラジルで三五%、ラテンアメリカで四五%の心筋梗塞を予防できる」と、サンパウロ・ダンテ・パザネース・心臓研究所のアルヴァロ・アヴェゼン医師。
 腹囲が貴重な指標だと、最近専門家が評価している。IMC指数で平常値でも腹囲が基準値を超えていれば心臓疾患を発症させるリスクが高まるため。
 PUC─RSのルイス・カルロス・バルネーセ教授は「心臓病予防に有効な腹囲を、医師の間に普及させていきたい」と話す。
 腹部の脂肪ができるのを、一般市民はビールのせいにしてしまいがち。ストレスによって、暴食してしまうといった多くの理由が考えられる。
 主因の一つが運動不足。〃薬〃は適度な運動を心がけるしかない。専門家によれば、週に三回エアロビクスやウォーキングなどをすれば効果的。食生活に気を使っていれば、六週間で腹囲が減少、二キロはやせることができるという。

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