ホーム | ブラジル国内ニュース | 「ベネズエラの暴力撲滅を」=法王がコロンビアで訴える

「ベネズエラの暴力撲滅を」=法王がコロンビアで訴える

 フランシスコ法王は10日、訪問先のコロンビアで信徒たちを前に、政治的暴力反対とベネズエラの政治危機解決を願う発言を行った。11日付ブラジル国内紙が報じている。
 6日からコロンビアを訪問中の法王は、滞在最終日の10日、同国海岸部のカルタヘナで信徒たちを前に講演を行った。
 この地はベネズエラとの国境に近く、同国からの難民が多く集まるところとして知られている。
 この日は法王の話を聞こうと、国の周辺部や外国からの観光客もつめかけるほどだった。こうした人たちを前にして、法王はコロンビア政府がベネズエラからの難民を積極的に受け入れていることを賞賛した。また、同国政府がコロンビア革命軍(FARC)との和平につとめている姿勢も評価した。
 法王はさらに、聴衆に対し「ベネズエラにいる息子や娘たちに向かって祈ろうではありませんか」と訴えかけ、「あの国で政治的に振るわれているあらゆる暴力を否定し、苦しんでいるすべての人々、とりわけ、貧しく恵まれない人たちのために同国が解決に向かうことを望もうではありませんか」と訴えかけた。
 法王は6日のコロンビアに向かう飛行機の中で既にベネズエラの状況を憂う発言を行っており、7日には首都ボゴタでベネズエラの司教5人と直接会い、同国の現状に関する報告も受けていた。
 この日、法王は顔に受けた傷でも世界的な話題を呼んだ。それはボゴタを去る直前、法王専用車で信徒たちの間を移動しながら別れの挨拶をした際、信徒の群れが押し寄せてきて車が急ブレーキをかけたため、車の中に立っていた法王がバランスを崩し、防弾ガラスとその枠に頭をぶつけたためで、目の上が少し切れて、頬にあざができた。

image_print