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フットサルの日本代表完敗=「善戦」と評価の声=王者の貫禄見せるブラジル

1月21日(火)

 十九日、サンベルナルドドカンポ市内ポリエスポルチヴォ体育館でフットサルの日本代表対ブラジル代表戦が行われ、前半五点を奪い終始優勢に試合を運んだ世界王者ブラジルが日本を全くよせつけず、八対一で日本を下した。日本代表は試合終了間際、前田喜史(カスカベル)が放ったシュートがゴール・ポストに当たりこぼれたところを、詰めていた相根澄(同)が右足で押し込みようやく得点、一矢を報いるのに精いっぱいだった。
 ブラジルは前半開始五分過ぎまでに三点を奪い、その後の流れを引き込んだ。先発した主軸のファルコン(ジャラグア/マウヴィ)を早々に交代させる余裕ぶりで、三点目はヒール(かかと)・シュートでゴールネットをゆらすなど随所に妙技を披露し、必死に食らいつく日本代表をほんろうした。
 後半は両者とも好機を生かせず、膠着した展開に。しかし、常に試合を支配していたブラジルは残り十分を切った辺りから、再び猛攻。ゴール三つを立て続けに奪い、格の違いを見せつけた。
 日本代表は過去にブラジルのクラブ・チームでプレーしていた前田、市原誉昭(プレダトール)、難波田治(ファイア・フォックス)に、イタリア・ラツィオ(ローマ)で一年半を過ごした相根を加えた海外経験組を中心にゲームを構成。カナリア色一色に会場を埋め尽くした七千人の観衆を前にも堂々としたプレーを見せたが、追いかけた王者の背中は遠かった。 
 この日、意地のゴールを決めた相根選手は試合後、「ボールのトラップとか、ちょっとした動きからしてブラジルの選手は違った。いろいろな意味で、環境の差が出た」と振り返り、悔しさをにじませた。
 十二歳から二十歳までブラジル各地でサッカー修行。二十二歳でフットサルに転向し、五年になるという市原選手は「個人能力だけでなく、チームとしてのまとまりでも及ばなかった。歴史の厚さを感じた」と、大粒の汗を拭った。
 また、代表チームにスーパー・ヴァイザーとして同行した大仁邦彌・日本サッカー協会常務理事は「練習の様子を見ていて、もう少しやられるかとも思ったが」とまず日本代表の善戦を労ったうえで、「ブラジルはすばらしいチーム。日本も徐々に良くなっているが、向こうがすべて上。今回の試合はいい勉強になった」と感想を語っていた。
 日本とブラジルの過去の対戦成績はこれでブラジルの四勝〇敗。初対戦は八五年の世界大会で、そのときは十五対一で屈した。日本は後に八八年大会でもブラジルと対戦し、結果は二十九対一だった。最近では九六年、ベルギーで開かれたトーナメント戦で十三対一のスコアで敗れている

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