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ブラジルを知る会 「ショーロの夕べ」=音楽史語る坂尾さん=100人が生演奏に酔う

3月15日(土)

 ブラジルを知る会(清水裕美代表)は十三日午後七時半から、レストラン・サントリー(サンパウロ市カンピーナス街六〇〇番)で第十三回講演会『ショーロの夕べ』を開いた。
 講師にはブラジル音楽評論家の坂尾英矩さん、女性歌手を含めた五人編成のバンドのギターには七弦ギターの名手ルイジーニョ。後半には日本のパンデイロの第一人者安井源之新さんが飛び入り参加した。
会場に詰め掛けた百人以上のブラジル音楽ファンは、坂尾さんのジョークを交えた軽快な語り口と生バンドの演奏に酔いしれた。
 坂尾さんはポルトガル移民とアフリカ奴隷の元来の音楽スタイルをバンドの演奏で紹介しながら、それぞれが歴史の中で融合していく流れを説明。
 北東部のマラカトゥやフレヴォなどの民俗系ダンス曲がカルナヴァルやショーロに派生する百年の歴史をそれぞれのジャンルの代表曲を演奏しながら解説するスタイルは非常に分かりやすく、「断片的に知っていたものの流れが分かった」と話す五十代の男性もいた。 
 坂尾さん自身の音楽体験やミュージシャンたちとのエピソード、造詣深い知識に来場者は感心したり、笑ったりと有意義な一時間半を過ごしたようだ。
 『ショーロの夕べ』と銘打たれた講演会の内容はショーロを中心としながらもブラジル音楽全体と多岐にわたり、最後に「ブラジルの五百年の音楽の歴史を一時間半で紹介するのは無理な話」としながらも「今回の講演会でさらにブラジル音楽への興味を持ってもらえれば」と締めくくった。

 「こういうスタイルも日本人の前で歌うのも実は初めて」と笑う歌手のファビアーナ・コッツァさんは来場者に対しての印象を「非常にミュージシャンに敬意を払い、音楽を愛しているのが分かった」と話し、「ブラジルの音楽に興味と知識をもっている人の前で歌うのはとても幸せなこと。日本へ行って歌うのが夢になったわ」と感想を話した。
 若い頃、坂尾さんと一緒の下宿で共同生活をしたという宮尾進前s人文研所長は「とても興味深く聞いた。ブラジルの音楽は何百年前の形態がいまだに継承されているところが興味深い」としながら「その部分で坂尾さんの比較文化論をききたいね」と話していた。
 坂尾英矩(ひでのり)=横浜出身。学生時代、米進駐軍まわりのジャズバンドで、浜口庫之介氏、松岡直也氏などと共にピアノを演奏する。
 一九五六年に渡伯し、この頃から音楽評論家・故大島守氏と共に日本でブラジル音楽を紹介し始めた草分け的存在。

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