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バレエの弓場農場=「ウルルン滞在記」録画=女優の佐藤江梨子1週間生活に参加

3月26日(水)

 TBSのテレビ番組「ウルルン滞在記」の〃滞在場所〃に弓場農場が選ばれ、去る二月初旬録画撮り、三月九日放映された。二月五日から十一日まで滞在したのは、元気いっぱいの女優、佐藤江梨子さん、二十一歳。放映後、日本からひっきりなしに視聴後の感想をつづったEメールが農場に入り、反響の大きさに農場のほうが驚いている。
 Eメールの発信者は、すでに弓場農場を知っている人、初めて知った人、主婦から大学教授とさまざま。「懐かしかった」「すばらしい生き方があると、改めて知らされた」「豊かさとは何か、を考えさせられた」など感想もさまざまだった。もちろん、「ぜひ、一度は訪ねてみたい」も。
 農場のバレエ指導者小原明子さんによると、佐藤江梨子さんは、一週間、一人で農場に滞在、弓場勝重さんが三カ月かけ、自力で建てた部屋に寝泊まりし、農場の人たちと生活をともにした。日本語で会話はできたものの、気持ちの伝達が容易にできないもどかしさが、画面に出ていた。ディレクター、カメラマンなどほかのスタッフ四人は、夜は市内のホテルに滞在したようだ。
 江梨子さんは、食事はもちろん、農作業(ゴヤバの収穫)、豚の屠殺、しいたけ栽培、豆腐・味噌・醤油づくり、共同風呂入浴、バレエの夜間稽古のすべてに参加した。少女期にバレエを習ったというだけあって、百八十度の開脚も評判どおり披露した。
 小原さんは、農場の舞台に立ってもらおうと、週三回練習のところ、毎晩にした。江梨子さんはよくついていき、最後に創作バレエ「ライジング」の一員になった。下条アトムが毎回番組で、独特の節回しで言うセリフは「佐藤江梨子がブラジルの日本お母ちゃんバレエ団に出会った―」だった。
 農場には二十六家族、七十人が暮らしている。小原さんの心配は、だれが、中心になって、江梨子さんを迎えるか、だった(「ウルルン滞在記」のほかの番組では、例えば、東南アジアの原住民の部落を訪ねた場合は酋長が主に、と設定されている)。だが、杞憂に終わった。江梨子さんの滞在一週間は、自然に全員と付き合うというふうに展開した。
 江梨子さんには事前に、弓場農場がどういうところか、(番組の制作上)ほとんど知らされていなかったという。だから、五世の子がしっかり日本語を話すこと、作業後の夜間にバレエの稽古が行われることなどを現場で知った。
 「ウルルン滞在記」は高視聴率を誇る番組。ナレーションが「弓場のバレエ公演は、これまで外国をふくめ八百回を数える」と紹介した。大きな宣伝であり、オメナージェンである。スタッフが日本のスタジオに持ち帰り、石坂浩二ら番組のクイズ回答者たちに贈られる土産(賞品)は、弓場農場産の、郷土食祭りなどで販売される味噌と醤油だった。
 弓場農場ウルルン滞在のビデオテープは、トミ商会で貸している。

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