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もうすぐ完成、文協新会館―入植90周年祝うレジストロ

9月24日(水)

 一九一三年に入植が始まったレジストロの九十周年記念祝典が、十月二十七日、同地で行われる。主催団体のレジストロ日伯文化協会(山村敏明会長)では、メイン事業として新会館の建設を計画、今年二月、市から土地の提供を受けて三月着工、祝典当日のイナウグラソンに向けて、鋭意建築中であるが、当日までの完成の目処(めど)もつき、目下仕上げに入っている。
 新会館は、市中心部から一キロ、閑静な住宅地内にある。地元の高橋国彦建設技師の設計による和風建築で、総床面積六百七十五平方メートルの細長い建物。周囲全体に回廊があり、日本庭園で囲まれているほか、中庭風の公園にも面し、建物の環境がよく配慮されている。
 また、その公園を囲むように、レジストロ市が草の根資金を受けて建設中の「高齢者活動センター」も祝典当日に合わせてイナウグラソンを行う。その向かい側には保育園も建設中で、高齢者たちと幼児たちのふれあいが考慮されている、
 レジストロ市は現在、人口六万、イタリリ、ペドロデ・トレド、ミラカツー、タピライ、ジュキア、セッチ・バラス、ジャクピランガ、エルドラード、パリケイラ・アスー、カナネイア、イーリャ・コンプリーダなど広域にわたるバーレ・ダ・リベイラ地方の中心都市である。
 入植九十周年を機に行っている日系実態調査(金子国栄調査委員会委員長)も、集計段階にあり、日系人人口は五世まで千百六十家族、三千人という数字が確認されている。
 山村会長によると、今年二月、市から土地の提供を受けたものの、新会館建設工費などは予算皆無から出発、多くの人たちの協力によって、短期間でここまで漕ぎ着けた。
 同文協は、去る九三年、入植八十周年当時、レジストロ・ベースボール・クラブ日本人部より創立、今年は十周年の節目にあたる。協会内に入植九十周年祝典実行委員会を結成して意欲的に準備をすすめている。

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