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朝鮮戦争から51年目に勲章=米陸軍元伍長の緒方さん

1月27日(火)

 [北米毎日、米国サンフランシスコ]米陸軍伍長として朝鮮戦争に参戦したペタルマ在住の緒方憲正(おがたけんせい)さん(七二)が、十三日、戦後五十一年目にして、米陸軍の勲章、「パープルハート」を受章した。同章は、戦闘で負傷した兵士に米陸軍から与えられる。
 当時、緒方さんは、司令部に電話連絡をしていた際、敵の砲弾の破片を顔面に受け、鼻をもぎとられるなどのけがを負った。
 帰米二世(日本に勉強に出掛けて米国に帰った二世)の緒方さんは、韓国兵とみられ、韓国の病院に運ばれたが、その後、米国人であることが分かり、米兵が搬送されていた東京の聖路加病院に移送された。
 移動の際に身分を証明する陸軍の書類が紛失し、緒方さんは「パープルハート」を受章できなかった。一年前、息子のショーさんが、リン・ウールシー下院議員(民主党、ペタルマ選出)に父親の戦功を語り、同下議の働きかけによって勲章の授与が実現した。
 十三日にペタルマで催された授与式では陸軍准将により、「パープルハート」をはじめ、国連従軍記章、国防従軍記章など、五つの勲章が手渡された。式典には軍関係者や報道陣百人以上が詰め掛けた。
 緒方さんは、今回の受章について「感激するけれど、第二次世界大戦中の米日系兵の活躍に比べたらなんでもないこと。おおげさに取り上げてもらって申し訳ない」と謙虚に話していた。

 

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