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平行線をたどる対話=騒動と手打ちの繰り返し

1月29日(木)

 「どうして、こうなる前に、我々と話し合ってくれなかったんだ」と佐藤吉之助副会長は、定期総会中止を知らせる説明会の後、「宮城県人会を明るくする会」の代表、佐藤八朗さんに言った。
 それに対し「言ってきましたよ。何年も前から何回も何回も、顔を出して話してきたじゃないですか。それなのにちっとも改善されてない。だから、こうするしかないと思ったんです」と佐藤さんは答える。
 事実、一九九六年一月から九八年七月まで、佐藤さんは中沢会長を支える副会長に就任し、会運営を内側から見ていた。その結果、意見の食い違いから、途中で辞任。当時、邦字紙でも大きく報道された。
 「改善されてるじゃないか。少しずつだが、よくなっているはずだ」。「いいえ、少しも改善されていません」と佐藤さんは食い下がる。佐藤副会長は「こんなやり方をしたら、会員八百人に迷惑がかかるんだ。どうして話し合いで解決しようとないんだ。話せば分かるはずだ」と熱を込めて話す。
 「十分、僕は我慢して話してきましたよ。何年もですよ」。
 他の副会長が訴える。「こんなことを公にして、母県はどう思うんだ? 敬老金だってもらっているし、県人会が信用されなくなったら、どうする」。
 佐藤さんは「信用される県人会であるためには、ちゃんと定款を守って、同じ過ちを繰り返さないようにしなくちゃいけないでしょう。『親睦団体だから、そんな細かいことで騒ぐな』と何度もいわれてきました。でも、親睦団体だからこそ、みんなが払っている会費の使い道が不明になったりすることには黙っていられない」と抗弁する。
 また、別の副会長がいう。「そんなにブラジル語、ブラジル語っていうんなら、おれたちなんか参加しないよ。日本語で親睦するから、親しみも湧く。それを、法律を盾に総会の通知の内容がおかしいとか、足りないとか言ったって。今までそれでやってきたじゃないか」。
 結局、説明会後の両者の対話は、それまで長いの経緯を引きずるように、あくまで平行線を辿った。
   ◇     ◇
 定期総会には出席していないが、「宮城県人会を明るくする会」メンバーの一人、芳賀七郎さん(モジ市イタペチ)に電話すると、意外な答えが返ってきた。
 「今回のことは、『明るくする会』がやったわけじゃない。昨年七月に知事が来てから、一回も会合を開いてない。佐藤さんから電話はあったけど、具体的なことは聞いてなかったし、あいまいな返事しかしなかった。私は佐藤さんの心情も分かるし、かうけど、敢えて出席しようという気はなかった」。
 「宮城県人会を明るくする会」は、新会館建設を少数で押し進める執行部の動きを〃正常化〃するために、昨年一月、県人十五人ほどをメンバーに発足した。一昨年、新会館建設を少数の執行部だけで決め、建設会社も指定しようとする動きに反発した佐藤さんは、〇二年八月、県庁に手紙で直訴した。「建設決定は会員の総意ではないし、七階建てなんかにしたら、建設費用も懸かるし、維持費も大変だ」。
 県庁からは「会員の総意で」という注文が付けられ、〇二年十二月の臨時総会で、建設は正式決定され、翌〇三年一月に「明るくする会」は発足した。同年七月の県知事一行来伯が決まっていたから、いわば反対派と執行部が手打ちをする形で、新会館建設委員会が発足した。「喧嘩しないで、みんなで歓迎しょう」と合意した。委員長には中立派の新国良二さん、副委員長には人望のある赤間学院の赤間晃平さんが就任し、「明るくする会」は代表三人を送り込んだ。
 会館構想は七階建から四階に変更となり、その分、建設費も抑えられた。中沢会長は「佐藤さんが県庁に訴えたおかげで、半年も計画が遅れ、資金も削られてしまった」と不平をもらす。このような折り合いの中で、新会館建設は晴れの定礎式を迎えた。
 芳賀さんは「(昨年七月の知事一行歓迎は)うまく行ったと思う」と語る。だから、半ば使命を終えた形で、「明るくする会」は休眠状態にあった。しかし、佐藤さんによれば「会の約半分は今回のことを支持」しており、再び〃お家騒動〃は表面化した。その根は深く、十三年前の現在の会館および土地購入時にまで遡る。
 その間、「資金の動きに帳簿で確認できない不明朗な点があった」、「会計報告が三年間もなされていない時期があった」、「会計監査の書類に偽のサインにがあった」など、色々な確認のとれない疑惑が語られてきた。
    (深沢正雪記者)

 

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