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コラム オーリャ!

 アパートの「名前」を巡る散歩が面白いと最近気づいた。家主の個性はもちろん、建設時の世相がにじみでているから。
 富裕層が住む高級マンションになると名付けも一大事。「欧州にいる気分を少しでも味わってもらおう」と、販売会社は「商品」のネーミングに大変な気を使っている。
 フォーリャ紙三十日付「revista」は書く。「仏ワイン銘柄のシャトー・マルゴーといった名まで見当たる」。正式な承諾は得ているのか、一読し思わずツッコミを入れた。
 集合住宅の呼称は、街区の歴史の「標識」として機能する場合もある。リベルダーデ区では「サムライ」などやはり日本語が目立つ、といった具合に。記者の住むアパートは「黄金の故郷」という。築数十年、外内は色あせても、移民時代の主張は昔に変わらず残る。「黄金」に「第二」とルビを振りたいくらいだ。        (大)

04/6/1

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