「はしご酒」や「はしご食い」はよく聞くが、コロニアには「講座・教室はしご」というのがある。これは、「酒」と違って大いに推奨できる。この「はしご」をやっているのは、高年世代の人たちだ▼近年は、老人クラブとか県人会が、教養講座、各種稽古(けいこ)ごとを冠した教室を開くようになった。会員だけではもったいないとあって「会員外も歓迎」というのはけっこう多い。これを〃活用〃するのが「講座・教室はしご」である▼もちろん、心身ともに健康で、時間の余裕がなければできることではない。老人福祉用語でいう「自立している人」ができるのである。もう一つ、ある程度の協調性が必要だ。人それぞれの違い、利害を越えて互いに分かり合い、譲り合い、共通のやろうとすることに向かって歩み寄ることだ。そうすれば、会員外、だろうと部外だろうと、教室内で仲良く融け合える▼「はしご」をよくしている人に尋ねると、家族の理解があることがわかる。まず連れ合いの理解。夫婦揃って、というのは理想だが、趣味の相違もあることだし、とりあえずは、片方がもう一方に快く「行ってらっしゃい」と言える環境がよい▼伴侶をなくした人は、理解のある息子、娘の存在が気強い。半ば冗談だが「孫を〃飼い馴らして〃(お小遣いをやって)運転手代わりに使って」というほほえましい話もあった。いい意味で居心地のいい所を渡り歩くのは、高年者の何物にも替え難いすばらしい楽しみになるのだ。(神)
04/06/23