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『愛詩(あいし)てる僕のブラジル抒情歌』=田所教授、翻訳詩集を出版=43編独自の感性によって=「イラセマ」など幅広く

7月27日(火)

  ブラジル詩人の業績に光――。京都外国語大学の田所清克教授が、ジョゼ・デ・アレンカールらブラジル文学界の巨匠の作品を翻訳、「愛詩(あいし)てる 僕のブラジル抒情歌」と題した詩集を出版した。世界的に知られるヴィニシウス・デ・モラエスによる「イパネマの娘」など知名度の高い作品から、完成度こそ高いものの日本語訳されてこなかった作品まで四十三編が、「詩人田所」の感性によって見事に完訳されている。田所教授は「ブラジルの大地にもゲーテやバイロンに匹敵する詩人らがいることを知ってもらいたい」と狙いを語る。
 文法書やブラジル社会学について数多くの著書を持つ田所教授だが、ブラジルの小説の傑作「ドン・カズムーロ」など文学作品を翻訳し、日本でもブラジル文学の愛好者を増やしてきた。
 移民などを通じて密接な関わりを持つ一方で、日本ではブラジルの詩作品があまり知られていない現状から、翻訳に取り組んできた。四十三編ではインディアニスタ小説の代表的な作品として評価の高い「イラセマ」やインディオのカライーバ族を詠ったものなど幅広い作品が訳出されている。メッセージを寄せたブラジル駐日大使のイヴァン・カナブラーヴァ氏は「ブラジル詩歌を俯瞰するためにもこの詩集は大きな貢献をするはず」と期待を込める。
 田所教授自身、「自らの詩的センスを養った地」として郷愁の念に駆られる出身地、熊本県阿蘇山と、自らの母に捧げた作品と位置付ける。巻末には「故里の山に向かいて言うことなし、故里の山は有り難きかな」「たまきはる 母の命の長きこと 願いて結ぶ 青き松が枝」の二詩も添えられている。
 定価は千六百円で金壽堂出版製作。問い合わせは072・898・7203かEメールbook@kinjudo.comまで。

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