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日伯経済=FTA交渉開始が鍵=貿易、投資は大きく後退中

9月14日(火)

 十四日から十六日まで小泉純一郎総理と経団連ミッションがブラジルに滞在する。日本の援助で行われているチエテ川治水工事や、サンパウロ州プラドーポリス市周辺の農業地帯を視察するなど滞在中は精力的に動く予定だ。最近は両国要人の往来が盛んになってなっており、経済分野でも日伯新時代の到来に期待が掛かる。
 ここ数十年間、両国の経済関係は決して良好とはいえない状況にある。日本と中南米の経済関係推移を表す数字(外務省発表)をみると、六一年に八・二%だった日本の対外貿易に占める中南米貿易の割合は昨年三・二%と、ここ四十年間で大きく後退している。中南米の輸出総額に占める対日輸出でも、九四年の五・一%から同二・八%へ減少だ。
 投資関係でも、日本の対外直接投資の中南米に対する割合は八三年の二三・一%から、近年は一五%前後で推移。中南米の直接投資受入総額に占める日本からの投資も、九一年の三一・三%から最近は一〇%台にある。
 日系進出企業の数では九七年の八十四社をピークに減少し続け、〇三年にはわずか十社にとどまった。
 こうした背景を踏まえ、日本は自由貿易協定(FTA)の締結で挽回を狙っていた。ブラジル側も米国との対立で難航する米州自由貿易地域(FTAA)交渉を有利に進めるため、日本とのFTA交渉開始を望み、利害が一致していた。
 しかし、FTA交渉に入れば、農産物輸出国グループ「G20」の代表的存在であるブラジルが、熱帯果実や牛肉など多くの農産物について、関税の撤廃や大きな引き下げを要求してくるのは必至。農産物の輸入急増を懸念する農林水産省ではこれに強く抵抗しており、協議入り表明を見送る方針を来伯直前の十一日に決定したと毎日新聞は伝えている。
 

 

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