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コラム オーリャ!

 「七宝がすでに伝統から抜け出ている一方、いけ花はまだ日本的なものから抜け出ていない開発途上」。先日文協で開催された展示会「七宝と花の出会い」を訪れた一人の客が漏らした。
 悪意の無い言葉だが、池坊側主催者は自分の作品を批判されたように感じたのだろう、多少気を悪くした様子を見せた。
 しかし考えてみれば、七宝が中国では琺瑯、西洋ではエナメルの名で知られる通り古くから世界各地に普及している文化であるのに対し、日本で生まれ育った池坊が国際化したのはまだまだ近年の話。
 それぞれの成り立ちが違うのだから、今ある姿が違うのも当然。「無理に松なんて使わず、セアザで売っているような花卉を使って生徒に教えています」との方針は決して間違っていない。池坊なりのインターナショナルでいい。(国)
 

04/10/29

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