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「大いに投資を」=元中銀総裁、呼びかけ=商議所講演

11月27日(土)

 十二日シーザー・ビジネス・ホテルで開かれたブラジル日本商工会議所(田中信会頭)の十一月懇親昼食会で、中銀、BNDES、ペトロブラスで総裁を務めたフランシスコ・グロス氏=写真が『ブラジル政治・経済動向』をテーマに講演。「ブラジルはいま、マクロ経済政策が安定し、経済成長の波に乗って勢いがある。地下資源や農産物供給国であるわが国に大いに投資して欲しい」と、出席した進出企業関係者に呼びかけた。
 全世界の水資源の二二%を保有し、全国的に耕作可能。そして鉄鉱石など地下資源も豊富。同氏はブラジルの潜在能力を高く評価し、「人口は一億八千万人を数え、どれをとっても競争力があり、将来有望。人口過多で、耕作不毛地の多いインドや中国のような心配はない」と言い切った。
 現在、世界人口は六十三億人で、二五年には八十三億人になると予想され、アグロ・ビジネスは今以上に有望産業になると同氏はいう。「経済成長が目覚しい中国への農産物輸出比率が高くなるだろう」。
 また、中南米地域の経済事情に関しては、「経済規模が小さく、あまり注目されていないチリだが、自由貿易協定(FTA)を推進しており、ここ数年は中南米で最も経済成長率が高い」と語った。
 そのほかの国は総じて低調で、ベネズエラ、メキシコ、ボリヴィア、アルゼンチンは経済政策でつまずき、「一年後にはこの三国の大統領は支持を失い、成長が低迷している」と踏み込んだ発言もあった。

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