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コラム 樹海

  北朝鮮の言い分はいつもながらの「ひらきなおり」と「こじつけ」だけれども、横田めぐみさんの「遺骨」鑑定の結果を認めるわけにはいきませんと回答してきた。どうしてこんな見え透いた横着をすることができるのかは不明だが、もはや金正日総書記と北朝鮮の体制を信ずるのは難しいとしか申しようがない▼北朝鮮の外務省談話は、日本の遺骨鑑定は「特定の目的のために企でられた政治的脚本」と断定しているが、何を根拠にしての反論なのかはさっぱりわからない。ご存じのようにあの「遺骨」は火葬にされ非常に高い温度で焼かれていた。このために従来の方法ではDNAを見つけるのが難しいとされている。ところが、帝京大学の法医学部では最新の技術を誇り、めぐみさんとされる「遺骨」を鑑定した▼その結果はDNAが横田めぐみさんのものとは異なる。しかも、「遺骨」は一人のものではなく、二人のものだという事も判明した。警察当局も、この鑑定を追認しているのだし「脚本」など何処にもありはしない。さらに酷いのは「万一、『制裁』が発動されれば、我々はそれを我が国に対する宣戦布告とみなし、強力な物理的方法で即時対応するであろう」と、日本で強まる経済制裁論を牽制していることだ▼ここまで来ると―もう真っ当な話はとてもできない。北朝鮮はミサイル「ノドン」「テポドン」を持つが、それを背景にしての脅迫が簡単に通用するとも思えない。ここは日本もしっかりと腹を据えて応じなくてはなるまい。  (遯)

04/12/18

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