ホーム | 日系社会ニュース | 100周年事業=ミナス州の渋谷さん 私財投げ打って=ウジミナス本社に日本文化コーナー=雛人形も航空便で取寄せ=「絆さらに深めたい」

100周年事業=ミナス州の渋谷さん 私財投げ打って=ウジミナス本社に日本文化コーナー=雛人形も航空便で取寄せ=「絆さらに深めたい」

1月28日(金)

 百周年記念事業の第一号? 各地でさまざまな事業やイベントが計画されている百周年だが、ミナス・ジェライス州都ベロ・オリゾンテ市在住の渋谷信行さん(80、新潟県出身)が私的な記念事業として、「日本文化展示コーナー」をウジミナス本社に開設するため総額五万レアルの私財を投じて奮闘している。

 州都から約二十キロ離れたウジミナス本社ビルには、リナルド・カンポス・ソアレス社長(日本国名誉総領事)の許可により、十月二十六日の創業記念日にあわせて、約百平米の展示コーナーが開設されることになった。
 「三十万円する七段の雛人形を日本で買い、航空運賃一千ドルかけて取り寄せました」。渋谷さんの説明には力が入る。ここには、オリジナルや複製含めて、日本文化に関するコレクション約二百点が展示される。さらに伝統文化財の解説関連の専門書籍三百冊も寄贈する予定だ。
 「日本からの技術が移転されてウジミナスは生まれました。ここの社員に、もっと日本語や日本文化に関心を持ってもらおうと思って計画しました。これにより、日本とのパートナーシップ、絆をさらに深めて欲しい」と願う。
 渋谷さんとしては、以下の品々が不足しており、総領事館などから、何らかの協力を得られないかと考えている。「大小二振りの日本刀(模擬刀)および刀かけ」「琴、三味線、尺八、鉦(かね)、びわ、台付き大型和太鼓、小鼓などの楽器」「碁・将棋一式(盤は足つきのもの)」「五月武者人形」など。
 渋谷さんは一九二四年に台湾・高雄で生まれた。二八年、四歳で親と共に第二アリアンサに移住。一九五九年にウジミナス入社し、九〇年に定年を迎えた。

image_print