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移民史研究グループ誕生=若手日語教師に伝えたい=センター、意欲的な企画

3月29日(火)

 若手の日本語教師に、移民の歴史を伝えよう──。ブラジル日本語センター(谷広海理事長)に移民史研究グループが誕生。このほど創刊した会報別冊「a cultura japonesa」で連載記事を発表している。月に一回、勉強会を開いていく予定。「様々な視点から、歴史を掘り下げていきたい」と張り切っている。
 同誌創刊号の企画段階で、移民史を取り上げることになった。日本語教師の矢野京子さん(66、長野県出身)がその話を耳に挟んで、編集担当者らと意気投合。研究グループ発足に向け機運が盛り上がった。
 矢野さんは、サウーデ文化体育協会文化部顧問。同協会は、日伯修好百周年(九五年)にマンガ日本の歴史を刊行。百周年(〇八年)にはマンガ移民史を出版する予定で、準備を進めている。ストーリーを書くのは、矢野さんだ。
 「エリートの二世だって、移民史を知らない人がたくさんいます。成人を教えていると、ちょくちょく質問を受けるんです」。
 日本語力に自信の無い人でも、すんなり入っていけるのが、マンガ。それをきっかけに、移民史を学習したい若手が現われてきてほしいとを願う。本格志向派に、読んでもらいたいのがこの連載記事だ。
 「二世や三世の自主的な学習を助けるには、一世が情報を発信していかないと、歴史を語り継ぐ人が途切れてしまう」と危機感を募らせる。
 勉強会は月に一回。記事の発表内容などを議論する。「たくさんの人がいろんな資料を持ち合えば、中身の濃い勉強会になるはず」。編集担当の相澤紀子さんは「多角的な視点から、歴史を掘り下げていければ」と多くの参加を呼びかけている。
 連載記事は全八回で、その後は日本語教育史に絞っていく予定だ。問い合わせ電話番号=11・5579・6513(ブラジル日本語センター)。

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