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谷氏の選挙活動を憂慮=上原氏続投を望む=高等審議会

4月5日(火)

 【既報関連】先月三十日に開かれた高等審議会。三時間以上も続いた会合の内容が編集部に届いた。
 審議会メンバーが下本八郎氏にシャッパを提出せず、上原幸啓氏を支持するよう要請したことは既報済み(今月一日付け七面)だが、有力候補とされている谷広海候補の選挙活動についても触れられている。
 野村丈吾氏は現文協理事会の管理と運営の実績を認め、これからの事業の継続について心配していると発言。百周年事業の日伯文化センター問題が、日系社会の溝を作り、「他に二つの対抗シャッパが出てきた最も大きな原因」とした。
 横田パウロ氏を除く他の出席者は、「上原会長の資質とリーダーシップがコロニアとブラジル社会から尊敬と信頼を得ている」として続投を望むことを明らかにした。
 横田氏は改革の必要性を主張、「会長選に複数の候補者がいることは団体や組織にとっては良いことである」と反論。
 その他の主席者は野村氏に同調、理事会が「文協はリベルダーデ地区から移転しないことを意思表示し、移転の場合も近隣地区にすることを表明すべき」との考えを明らかにした。
 審議会は、下本、横田両氏にシャッパを提出せず、上原氏を支持するよう要請。両氏は同件について再考することを約束した。
 谷広海候補に対しては、立候補することを考え直すよう植木氏が審議会を代表し要請。「今まで通り文協理事職を続けることが文協の強化と団結に繋がる」との考えも伝えた。
 植木氏は、「谷氏は立候補を辞退する意思はなく、選挙活動を続けることを強調した」ことを報告したうえで、「そんなことになれば文協五十年の歴史で始めてのことであり、そのような事態になれば、将来にも影響する」と発言。
 谷氏が選挙事務所を設置し、積極的に新しい有権者を獲得するという方法や手段に対し、「非常に残念であり、憂慮すべき事態となっている」と述べた。
―「シャッパの見直し」=ありえると下本氏―
 会長選挙が三つ巴になり日系社会が分裂することを懸念した文協高等審議会が三十日、出馬表明している三氏に対し「連立」を要請したのを受け、上原幸啓、下本八郎の両氏とそれぞれの支持者は四日午後会談。審議会が現職の上原氏続投を望んでいる状況を踏まえた下本氏は「シャッパを見直す余地もある」との考えを明かした。
 ただ、下本氏のシャッパに名を連ねる横田パウロ氏が「連立」に消極的な態度を示しており、あす六日に迫った公示直前まで折衝が続きそうだ。一方の谷広海氏は四日現在、単独シャッパを提出するという従来の姿勢を崩していない。

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