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バストス=80年史編纂に着手=「記念誌40年ぶり」と意欲

4月8日(金)

 二〇〇八年に日本人入植八十周年を迎えるバストスの日系体育文化協会(真木勝英会長)では次世代に歴史を伝えようと記念誌の編纂に乗り出した。既に委員会を発足。調査や執筆の草案を練っている。同協会で日本語総務を担当する宇佐美宗一さんは「これが最後の機会になるかもしれないという危機感がある。バストスは独自の移住形態がとられた土地。日系人の歩みを残したい」と語る。
 編纂の話がここにきて浮上したのは、入植四十五周年までに四、五冊の記念誌を刊行したものの、以後、まとまった冊子を編纂する機会がなかったから。
 加えて、証人である一世が年々減るにつれ、日本への出稼ぎが増加しており、歴史の伝承が困難になってきている状況もある。
 「歴史は、バステンセとしてのアイデンティティを若い世代が持つためにも必要」と宇佐美さん。資料収集が当面の急務だが、「バストスに関係のある日記や写真などを提供していただけたらありがたい」と呼び掛ける。
 いま捜している重要資料の一つは、『バストス週報』だ。「五一~七六年まで、小田糸音さんが編集していたもの。抜けている号があって全部揃っていない。日本ではセットで売られているようです」
 バストス史料館では今年一月からJICAボランティアの中村茂生さんが働いている。学芸員の資格をもつ心強い助っ人だ。「日本とのパイプ役にもなってくれるでしょうし、学芸員ですので、いろいろ助かることが多い」と期待を寄せている。

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