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コラム 樹海

 岐阜県多治見市で、警察官の拳銃を奪って逃げた外国人が車(くるま)関連の犯罪に関係していた、と知り、ブラジル人の可能性があると思っていた。案の定だった。車の窃盗、解体、売り払いは、ブラジル人の〃御家芸〃だからである。日系人が日本まで「就労」に行って、就労以外のことをするなんて、惨めで嘆かわしい。古い言葉で言えば「日伯両国在住日系人の面汚し」だ▼百年前に日本移民が、ブラジルに渡航、以後戦後も続いて、働き、農業の神様といわれた。少し面はゆい気持もするが、農業で貢献したからである。このことは自他共に認める。よその国に渡ったら、こういうふうでありたい▼日本へ就労に行くのは、自身と家族の生活維持、確立のためである。取り巻く環境が厳しいからといって、犯罪に走るのは許されない。今度の犯人たちは、少年のころに渡日している。日本での教育環境が不十分という言い方もあろう。しかし、何もかも日本社会が悪いと言うつもりか▼二十年余前から、ブラジル人が就労に行き出した。雇用側にも多々問題があるにしても、日本国内の評判は、総体的にけっしていいとはいえなかった。ここへ来て、全国的に大きく報道される犯罪を引き起こせば、またブラジル人か、といわれ、いよいよ信用を失墜する。ほかの懸命に働いている大多数の人たちにも悪影響を及ぼす▼ブラジルにいる日系人としてもつらい。せめて、一応社会的に認められる、善良な外国人市民、といわれるようであってほしい。(神)

 05/5/18

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