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『全アリアンサ八十年史』編纂企画=資料集めにかかる=委員に女性起用推進

6月15日(水)

 『全アリアンサ八十年史』編纂に関しての会議が、十一日午後八時から、第二アリアンサ内会議室で行われた。この日は特に「アリアンサの野球史」を中心に話が進められた。会議には、アリアンサ野球大会第一回目出場者を中心に、合わせて二十三名が出席。過去の野球に関する話をそれぞれ発表した。
 去年入植八十周年を迎えた第一アリアンサ。第二、第三アリアンサも順に来年、再来年と八十周年を迎える。それぞれ一冊ずつ編纂予定だったが、七日の会議で全アリアンサまとめて編纂することに決まった。この案を提案したのは現在、弓場農場で関西学院大学大学院の学生として研究を進めている渡辺伸勝さん。編纂の代表者である弓場農場の矢崎正勝さんとともに、編纂作業を手伝うそう。
 出席者はそれぞれ自己紹介をし、何歳で野球を始めたか、その当時の練習や、試合で覚えていることなど次々に発表した。「アリアンサ大会以前は弓場勇さんが野球を始めた」など、戦前の話なども飛び交った。また、「現在は技術的にはうまい選手ばかりだが、私らの時はもっとがむしゃらだった」など思い出話に花を咲かせる場面も見られた。
 鳥取県から日本語教師として派遣され、現在、第二アリアンサで教壇に立っている谷口太郎さんは「今回で野球大会も六十周年を迎えることができ、皆さんの話を聞けることが何よりの喜びです。皆さんの努力があったからこそ六十年も大会が続いていると思う」と、話し、「皆さんが生きてきた様を若い世代に伝えていくことが私の今やるべきことだと感じています」と感激のあまり涙を流した。
 また、日本で流布されている『長野県の歴史』の中で「アリアンサは多民族排除の移住地であり、満蒙開拓思想の始まり」だとの主張・記述に対し、新津英三さんが中心となって抗議をしていた。これに対し、去年十一月に来伯した田中康夫長野県知事は、自らの目で移住地を見て明らかに誤解だということを認め、長野県の責任において是正の努力を進めると約束した。しかし、「現在は、全て訂正することは難しいらしく、具体的に話は進んでいないそうだ」と新津さんは話した。
 今後は、今回の会議でわかった話や、今年一年で集まった史料を基に、来年から本格的に編纂に取り掛かる見通し。現時点で編纂委員は決まっていないが、今月中の会議で決定する予定だ。第一アリアンサから四名、第二、第三からはそれぞれ三名ずつ選出する考え。矢崎さんは「計十名選出するが、その半分は是非とも女性に参加して欲しい。男性にはわからない子供のことや、女性なりに苦労した話など知りたい」と、今回の特徴は「女性が編纂に参加することだ」と説明した。
 なお、「アリアンサに関する写真、新聞、資料を持っている人、また話を知っている人は弓場農場まで連絡してください」と矢崎さんは協力を呼びかけている。
 連絡先電話は018・3708・1247。またはyuba@expressnet.com.brまで。

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