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笛の吹き手を養成へ=広島神楽保存会=森脇氏の指導受ける

7月12日(火)

 母県の伝統文化を継承するため、地道な活動を続けている広島神楽保存会(細川晃央会長)の六人が七日夜、初めてとなる笛の練習を行った。
 指導を担当したのは、「だるま塾」の森脇礼之代表(70・島根県出身)と同代表の〃笛の一番弟子〃
である「丹下セツ子太鼓道場」の鈴木ジュリアーナ指導員(28・3世)。
 練習場所となったサンパウロ市ラッパ区の森脇氏宅を訪れた細川代表と同会員の古田川英雄氏は、森脇代表に笛の指導嘱託依頼状を手渡し、協力を要請した。
 笛の吹き手がいないため、三月の公演でも録音テープを流してきた同保存会。すでに担当者がいる太鼓や手打鉦に今回、笛を加えることで、囃子メンバーを確立させたい考えだ。
 今年三月に「広島津浪神楽団」から寄贈された笛で練習を開始したが、調律が合っていないことが判明。
 「島根と広島の神楽が違うとはいえ、笛の音階自体が違うことはあり得ないのだが」と首を傾げる森脇、鈴木の両氏。結局、改めてブラジル側で笛を購入することになった。
 「小学校一年で笛を吹けないと男じゃない」といわれるほど神楽の盛んな地域で育った森脇代表。以来六十年笛を手放したことはない。
 六二年の来伯後もシネ・ニテロイなどで公演、七〇年代は日本語教師をしながら、生徒たちに神楽の指導を行っていたという。
 「音が出るようになれば、『チューリップ』『荒城の月』などを練習し、民謡ができるようになれば、一年くらいで神楽に合わせられるのでは」と話しながらも、「神楽自体の歴史的背景などを知ることも必要」と強調した。
 練習をする全会員が初心者であることから、「最初はドレミを息継ぎせずにできるようになるのが先決」と鈴木指導員が当面、基本指導を行うことになった。
 笛の練習で頬が硬直したり、唇にたこが出来るほどの研鑚を重ねた同指導員。「技術だけではなく、礼儀なども教えていきたい」と精神面での指導も視野に入れているようだ。
 練習に参加した伊勢島エリックさん(3世)は「ピアノをやっているけど、全然違う」と、音を出すのに苦労していた。
 次回は十九日午後八時から、広島文化センター(サンパウロ市タマンダレー街八〇〇番)で行う予定となっている。

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