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日系文学を博士論文に=カリフォルニア大学からリヴァスさん=準二世に焦点あてる

7月19日(火)

 日系文学を博士論文にするため、米・カリフォルニア大学から、ゼリデス・マリア・リヴァスさん(26、プエルトリコ出身)が来伯している。テーマは、「ブラジルの準二世文学」。短歌や俳句などに現われた季語や単語を分析。作者の記憶をたどることで、移住先国への順応を調べる。
 ロータリークラブを通じて十五歳の時、埼玉県内の高校に留学したのがきっかけで、日本語・日本文化に関心を持った。中南米地域で最も日系人の多い国ということで、ブラジルに目が向いた。
 マサチューセッツ州ウエレスレイ大に進学して、日本語を専攻。国際基督教大学に留学して、日本語力などに磨きをかけた。「移民社会のことを知るには、母国の文化を必要がありますから」。
 リヴァスさんによると、「同化」は母国の文化を忘れてしまった状態。「順応」は移住先国の文化が混ざりながらも、母国の文化がまだ生きている。コロニア小説、短歌、俳句など文芸作品に使用されている言葉をたどることで、準二世の順応の仕方を追う。
 「イッペーなどの季語やポルトガル語が入ってくる。そういう表現をみていくのは、面白い。彼らは、親に連れて来られた人たち。『日本の方がいい』といった被害者意識もあるんですよ」。
 黄色人種がブラジル社会に与えた影響についても、調べたいという。滞在は今月末まで。来月、訪日にして研究を重ねる。

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