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マンジョッカで本格焼酎=無添加のさわやか風味を=MNプロポリス社が開発=来月発売

2005年8月23日(火)

 マンジオッカの焼酎?――。独創的なアイディアで新商品に取り組むのは、プロポリスでおなじみのMNプロポリス社(モジ市、松田典仁社長)がこのたび、マンジオッカを原料とした「オーガニック・マンジオッカ本格焼酎」を開発、来月の発売に向けて準備を進めている。
 「プロポリス入りじゃないの? なんて言われましたよ」と笑うのは松田社長。酒造業界の先駆けとなるマンジオッカ焼酎の開発を思い立ったのは三年前のことだ。プロポリスの加工で培ったアルコール技術で、自身の土地に植えたマンジオッカを蒸留したのがきっかけだという。
 ところがそこで問題が。アルコールはできたが、味が出ないのだ。苦心が続く。「泣いて泣いて泣きましたよ」。
 群馬県出身の松田社長は芋焼酎の本場、鹿児島県へ向かった。地元の酒造関係者に直談判して協力を得るためだ。イモをかついでの訪日が続いた。
 さらに麹菌や蒸留法の研究のため、社員をブラジルから派遣。県立の工業試験場や地元の酒造会社「濵田酒造」の技術指導を受け、現在の味にたどりついた。
 麹菌による発酵と蒸留を合わせた薩摩焼酎の二段仕込み方式。一からはじめたマンジオッカ焼酎は、蒸留のための装置も自ら工夫して作った。現在では一日千五百リットルを製造、五百キロのマンジオッカを処理できる段階まで来ているという。
 もう一つのこだわりは「オーガニック」(有機栽培)であること。松田社長は、ブラジル唯一のオーガニック認定機関であるIBD(Instituto BioDinamico)の認可を得た農場で無農薬・無化学肥料で栽培された原料と、その土地から出る天然水を使った「安心」を強調する。
 発売は来月を予定している。値段はまだ決まっていない。今は店で出したり関係者に試供品を配ったりして感触を確かめているところだ。
 「一リットル瓶三百本くらいは配ったでしょうか」。芋焼酎の本場九州の人には香りが弱いと言われることもあるが、「さわやかな香り」と評判も上々とか。
 日本からの注文も来ており、将来的には北米、欧州への出荷も計画しているという。
 「鹿児島の関係者から『いいものができましたね』と言ってもらえました」と松田社長。近々あいさつのため日本を訪れるそうだ。

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