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ラーモス移住地への道=舗装工事始まる=40年の悲願=ぬかるみ、土ぼこりの難儀=来年以降は〃昔話〃に

2005年8月30日(火)

 【クリチバーノス発】サンタ・カタリーナ州のラーモス移住地では、移住地開設当初からの最大の悲願であった道路の舗装工事が始まり喜びに沸いている。クリチバーノス市とフレイ・ロジェリオ市を結ぶ州道SC451号線で全長二十九kmが舗装化となり、移住地は十九kmの地点にあって現在の道路が二kmほど短縮される。来年中の完成に向け、現在工事が進められている。
 昨年四十周年を迎えた移住地は、十二月のナタール直前に、ルイス・エンリッケ州知事を移住地に迎えて大きなプレゼントを貰った。前州知事時代に作られた舗装工事計画書が正式に承認され、ラーモス日伯文化協会の会館前に作られた特設パランケにおいて施工業者との調印式がおこなわれたのである。
 工事資金は約二千四百万レアル。世界開発銀行(BID)の融資によるもので、仮に州知事が次の選挙で変わっても中止になる心配は少ないとのことである。
 現在は泥まじりの砂利道で、雨が降るとところどころでぬかるみ、日照が続くと通学バスの中は土ぼこりが口の中まで入り込み難儀しているが、来年以降には昔話として思い出されることになろう。
 十年前の三十周年記念式典では弓場バレエ団が招かれてダンスが披露されたが、移住地内に分宿した翌日の昼食後から雨が降りだし、貸し切りバスが移住地から出られなくなった。ゴヤバの収穫を控えてなんとしても帰りたい団員の気持ちも、自然の力には勝てず二番目の分宿を余儀なくされたこともあった。
 さくら公園と平和の鐘公園の二つを抱えるラーモス移住地は現在、日本文化と梨・柿・桃・椎茸・アーリョなどを組み合わせた農村観光地を目指している。このたびの道路のアスファルト化によって大きな前進が期待されるところだ。また、日本風の八角堂を多目的観光物産館として建築する計画もあり、これにより地域の活性化と振興に役立てたいと移住地の人は抱負を述べた。
 『ラーモス移住地四十年の歩み』移住史の刊行(既報)を終え、道路舗装工事が始まった移住地は、文字通りの大きな節目にさしかかっており、出稼ぎによる空洞化などの困難な状況をいかに乗り切って行くかが注目される。
 道路工事のため、今年は九月初めに予定されていた桜祭りは中止となった。「来年の桜祭りには、新装のアスファルトを走って来訪していただきたい」と関係者は期待を寄せている。

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