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定款改正へ公聴会も=文協=焦点は選挙制度=来年会長選=評議委改革も議題

2006年1月7日(土)

 来年四月の文協会長選挙に向け、さっそく動きが出てきた。ブラジル日本文化協会(上原幸啓会長)は、理事会や評議員会の選挙に関する定款改正をするため、昨年末に定款改正委員会(原田清委員長)を設立し、十日午後七時から、初めての公聴会を同貴賓室で実施することになった。百周年を実際に迎える〃コロニアの首相〃選びを左右する、重要な公聴会になりそうだ。
 検討することになっている議題は次の三点。
《1》理事の選任は直接選挙(会員全員で投票して総会で選ぶ)、間接選挙(評議員会で理事全員を選ぶ)、一部直接選挙(会長ら理事の一部を総会で選出して残りを会長らが指名する)のいずれにするか。
 昨年初めて、全会員による直接選挙(=現状のまま)が実施され、コロニア全体から大きな注目を浴びた。理事会運営に、今までにない緊張感を生んだことは記憶に新しい。
 今回選択肢にのぼっている一部直接選挙方式を採用すれば、昨年のような三十六人もの大きなシャッパを組まずに直接選挙ができ、より対抗シャッパが提出しやすくなる。
 昨年の選挙時はシャッパの全人員を揃えるのが困難で、なおかつ有能な人材が他シャッパにいた場合、当選後に呼びにくいなどの問題点が挙げられていた。
 昨年以前は、評議員会が理事会の会長・副会長を決め、その会長らと評議員長が会議で残りの理事を選任していた。
《2》総会において、委任状による代理投票を認めるか、認めるとすれば何人までにするか(現在は十人まで)。評議員会の場合はどうするか(現状は二人まで)。
《3》評議員会の正・補メンバー数は何人が理想的か(現在は正評議員百五十人、終身評議員四人、補充評議員五十人)。
 一般論としては、委任状は少ないほうが、総会に出席する、実際に活動に参加している会員の意志に近い決議がされる傾向がある。多数の委任状が認められるほど、総会に出席しない幽霊会員の方が重要な決議の切り札を握る、民主的でない結果になりがちだ。
 ただし、文協が全伯を代表する団体とした場合、多くの委任状があるからこそ、他州や遠隔地の会員や団体の意志が総会で反映できるとの意見もあり、議論が分かれるところだ。
 評議員の人数に関しては、「多すぎる」との意見があり、減らすかどうかという方向の議論がされる見込み。間接選挙にした場合は、評議員会は自らの会長・副会長を決める権限を持つだけでなく、理事会全体の陣容を指名することになり、大幅に権限を拡大するようだ。
 いずれにしても、来年予定されている会長選挙をにらんで、どのような体制でのぞむかを決める重要な定款改正になる。来年は四年に一度の評議員の改選と重なるため、昨年同様に会長直接選挙を行う場合、十分な準備がないと混乱を招く恐れがあるようだ。
 文協事務局によれば、この公聴会は会員からの意見を広く聞くためのものだが、非会員も傍聴は可能。ただし、発言権があるのは会員に限られる。
 公聴会で集めた意見を参考に、委員会で議論をにつめ、今月中に第一次試案を理事会に提出する予定だ。この定款改正委員会は昨年十二月二十二日に発足し、委員は全七人。
 同委員会の改正案を理事会が審議し、今年の定期総会の四月八日か、それ以前に臨時総会を招集し、定款改正決議をする見通し。
 なお公聴会の当日は、昨年の文協五十周年記念事業の一環として行われた、貴賓室への空調設備のイナグラソンも行われる。

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