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コラム 樹海

 留学生・技術研修員やデカセギたちが、日本でぶつかるイヤな現実。聞いたこともあるし、読んだこともある。だから、確かにある現実なのだろう▼技術研修員の日本語能力が同じ程度なら、色白の非日系人のほうが、日系人よりもていねいに世話してもらえるという。非日系人なら致し方ないが、日本人と同じ顔をして、どうして日本語ができないの、と言われるのは、日系人にとってつらいことだ▼これは、非日系人を引き合いに出すまでもなく、以前から言われてきた。(日本で)非日系人と同じ立場になった場合、「どちらも同様にブラジル人だ」という思いがあるだけに、割り切れないのだと思われる▼デカセギが人材派遣会社から派遣される際、カタカナの名前が敬遠される。近年は、ブラジル人やペルー人の犯罪者の名前が報道されるとき、日本人名にはないカタカナ表記の名前が目立つ。雇用する側は、派遣されてくる未知の労働者が勤勉であっても「ガイジンか……」と先入感を持ったりするのだ▼昨年、ペルー人が幼女殺害事件を起こした直後に、他のペルー人デカセギが、カタカナの名前がつらい、と慨嘆したという新聞記事をみた。カタカナの名を持つ日系でない研修員が有利?で、美男子かもしれないデカセギが、いっこうモテず、就労前に差別される実状・事態をどう判断したいいのだろう。要は「実質」というか「中身」の問題なのに。「そんなのおかしいよ」とボヤく若者らの気持が分からないではない。(神) 

 06/02/17

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