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カザロン・ド・シャ修復工事=寄付5万レ求める=渡伯した日本人大工仕事費用

2006年3月10日(金)

 【既報】カザロン・ド・シャ協会(中谷哲昇会長)は、カザロン・ド・シャ修復工事の資金集めのため、寄付を呼びかけている。
 一九四二年、モジ市の郊外コクエラ地区に日本移民大工が製茶工場を建てた。独特の有機的な造形美を備えたブラジルでは珍しい木造建築で、地元の人たちからカザロン・ド・シャと呼ばれている。
 日本の伝統的な木造建築法を用いて、建築用の木材は当時の農園内にあったユーカリ材を使用、原木の形をそのまま生かしている。このような技術を用いた建築物はブラジルに他に例がなく、八二年に州政府、八六年に連邦政府より文化財に指定された。
 現在、協会はカザロン・ド・シャ保存のために連邦政府とモジ市役所からの援助金のもと、屋根の瓦をはずし、壁を直し、白蟻に犯された個所のユーカリ材を取り替えていくという修復工事を行っている。
 しかし、その第一期援助金は五月までで、第二期援助金は会計報告、およびプロジェクトの再検討をした後となってしまう。
 日本よりカザロン・ド・シャの修復工事のため渡伯した中尾哲夫大工の滞在可能期間が十月までとなっており、その分の大工仕事費用が五万レアル必要となっている。
 協会は、カザロン・ド・シャで将来的には工芸工房設立や和紙作り、ミニ茶畑を作り手揉み茶の生産、これら製品の販売、生産過程を見せるなどして、観光地化を目指している。
 中谷会長は「日系移民文化の大切な遺産です。修復、保存をしなければなりません」と協力、寄付を呼びかけた。
 寄付の問い合わせは協会(11・4792・2164)まで。

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