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同名句集『蜂鳥』2冊=かずまさん、完成品見ずに逝く

2006年3月23日(木)

 【既報】『蜂鳥』という句集が、最近、ふた通り発行された。一つは、故富重かずまさんの句集『蜂鳥』。『相聞歌』に次ぐ二冊目の句集で、一九九六年から二〇〇三年までの作品四百九十句余りが収録されている。編集製作は(株)角川学芸出版。かずまさんの死去に日本からの到着が間に合わず、かずまさんは、本を手に取ることがかなわなかった。
 かずまさんはあとがきの中で「俳句の選を一度もたいへんと思ったことはない。いつも楽しく、よい句に出会うと嬉しい。第二句集を『蜂鳥』としたのは、俳縁につながる方々への感謝の気持ちからだ」と書いている。
 もう一つの『蜂鳥』は、蜂鳥誌創刊二十周年記念合同句集。十五周年に次いで二回目の発行。投稿者百三十一人(うち創刊号からの投稿者十七人)の作品、一人二十句が掲載されている。かずま主宰がすべての誌友の選をし、それぞれの題名をつけたが、やはり、本の完成を見ずに死去した。
 富重久子・現主宰は「かずまとともに、先立たれた多くの誌友の霊前に真心をこめて、この一冊を供える」といっている。

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