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コラム 樹海

 どんな日系団体の将来も二~三世の手に握られている。執行部に若者が少ない団体、青年部のない団体は十年以内になくなる可能性が高い▼子どもたちがたのしく集まるフェスタをできるだけ開催し、日系同志で遊ぶ機会を積極的につくり、共通の幼少体験を増やす。これは日系団体の基本的な役割だと思う。地方では日本語学校がその重要な役割をになっている▼そのような経験をもった子どもは、大きくなっても日系団体を忘れない。定年して、手が空いたら戻ってくる。その繰り返し、いわばキセルだ。子ども時代と定年後による場所が日系団体。受験勉強に忙しい高校時代から中年までは層が薄くなるのは致し方ない。そのような繰り返しの百年を耐えた団体は、次の百年にも生き残る▼日系団体は一世の親睦団体であるだけでなく、世代を超えて〃日系意識〃を伝えることも重要だ。学校はそれにふさわしいから、各コロニアはこぞって民族系コレジオを作った。既存の日系学校にはたくさんの日系児童が通っている。日系意識が醸成される場所を、みなで手厚くすることはまさに百年の計だ▼以前パウリスタ大通りにあるシリア系団体の雄、クルベ・ホームスの会長に尋ねた。どうしたら民族意識が継承されるかと。「宗教が一番だよ。毎週教会に通ってね。日本人に共通の宗教がないなら、子どもや若者をあつめ、彼らを楽しませることだ。何でもいい、しょっちゅうパーティやるんだ。まずは楽しんで通ってもらうことが重要」。(深) 

06/03/30

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