ホーム | 日系社会ニュース | 県連=初の会長選挙へ=シャッパ統一ならず=高橋、松尾の両陣営=月曜に最終締め切り

県連=初の会長選挙へ=シャッパ統一ならず=高橋、松尾の両陣営=月曜に最終締め切り

2006年4月8日(土)

 二十日に開かれる県連定期総会で、初めて複数のシャッパが出されることが確実な情勢だ。現在のところ、現副会長の高橋一水氏(高知)と、福岡県人会長の松尾治氏のそれぞれを会長候補とする二つのシャッパが提出される見通し。両派はこれまで、シャッパの統一をめざして話し合いを重ねてきたが、六日に開かれた会合でも合意にはいたらず、事実上決裂。松尾氏側は同日夜の会合で独自シャッパの提出を決定した。提出期限は十日。県連史上初の会長選挙が現実味を帯びてきた。
 先月三日の県連臨時総会。会長三選を可能にする定款改正案が否決され、現在二期目の中沢宏一会長の退任が決まったことを受けて、次期執行部をめぐる動きが表面化した。
 昨年の第八回フェスティバル会計問題を中心に執行部との対立を強めてきた反対派は、新たな会長候補として松尾氏を擁立。執行部側では高橋副会長を中心にシャッパを組む動きを見せていた。
 その一方で、両派の代表によるシャッパの統一に向けた話し合いも続けられてきた。
 今月六日に開かれた四度目の会合には、両派から三人ずつの代表が出席したが、ここでも合意にはいたらず。高橋氏を会長に推す執行部側と、松尾氏を推す反対派の溝は最後まで埋まらなかった。
 反対派は同日夜に開いた会合で、独自シャッパの提出を確認。これまで明言をさけてきた松尾氏も立候補の意思を明確にした。
 現在文協の第四副会長をつとめる松尾氏。県連新会長に選出された場合は、文協での役職を降りる意思を表明した。すでに上原文協会長にも伝えてあるという。
 松尾陣営が公表したシャッパ(後述)は、これまで執行部に入っていない県人会長を中心に組まれているが、現執行部からも三人の役員が名を連ねている。副会長七人のうち四人は二世だが、全体では一世との割合は半々。期限まで時間はあるが、大きな変更はないものと見られる。
 高橋陣営のシャッパは現時点では明らかになっていないが、現在の執行部を中心に組まれるものと予想される。
 県連では前回の改選でも中沢会長に対抗するグループが独自シャッパの提出をめざしたが、まとめきれずに断念した経緯がある。それから二年。今回は初の複数シャッパが出る可能性が濃厚だ。
 シャッパは十日午後三時までに、県連事務所に提出される。選挙になった場合、今後は浮動票をめぐり両派の動きが活発になりそうだ。
 松尾氏を会長とするシャッパは次の通り。
 会長=松尾治(福岡)、副会長=大西博巳(広島)、加藤恵久(鳥取)、与儀昭雄(沖縄)、清藤イナ(青森)、鈴木静馬(静岡)、福田康雄(熊本)、天達市雄(鹿児島)、会計=〔第一〕二宮春男(愛媛)、〔第二〕伊藤アンテノール(愛知)、〔第三〕長友契蔵(宮崎)、書記=〔第一〕杉山エレーナ(京都)、〔第二〕菅原パウロ、〔第三〕安達敬之助(島根)(敬称略、七日現在)。

   選挙管理委員が決定

 県連は定期総会での役員改選にあたり、選挙管理委員会五人を決定した。
 委員はいずれも県連相談役。氏名は次の通り。中村勲(福岡)、小森廣(鹿児島)、宮城滋(沖縄)、菊地義治(岩手)、多羅間俊彦(東京)。

image_print