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〝温泉の町〟の日本庭園=ポソス・デ・カルダス=三井肥料が改修

2006年4月28日(金)

 ミナス州ポソス・デ・カルダス市の日本庭園「友誼園」がこのほど改修され、二十六日、完成披露式が開かれた。同市に本社を置くブラジル三井肥料(本吉洋社長)が、同社創立四十周年の記念事業として実施したもの。完成式には、ポソス市のセバスチャン・ナバーロ・ビエイラ・フィーリョ市長はじめ約六十人が訪れた。
 この庭園(Recanto Japones)はブラジル三井肥料が一九七五年に造成し、同市に寄贈したもの。錦鯉の泳ぐ池を中心とした約一万メートルの敷地に、三畳と八畳の二部屋からなる茶室や、桂離宮の「まんじ亭」を模したあづま家などが点在する。市の観光スポットであると共に、市民の憩いの場として多くの人が訪れている。
 同社では、庭園造成後も節目の年ごとに新しい建物を寄贈していたが、建物の老朽化が進み、また庭師が不在だったことで近年は維持管理が難しくなっていたという。
 四十周年を機に行なわれたこのたびの改修では、庭園内の清掃や樹木の剪定のほか、茶室の畳やふすま、ガラス戸の取り替え、ベンチやトイレの修繕などを行った。
 完成式にはナバーロ市長など地元関係者のほか、四十周年記念式典に参加するため来伯した日本、北米の三井物産関係者も臨席した。市長は、観光名所としての貢献とともに、自然と調和した美しさや静けさといった庭園の魅力を強調。「(庭園が)ブラジルにおける日本文化、日系社会の存在を伝えている」と称賛した。観光局長も、三井肥料の同市への貢献を称えた。
 一堂で記念の石碑を除幕。本吉社長は、将来に向けて同社と市民が調和していくことの大切さに触れるとともに、「この庭園が皆さんにとって精神の休息の場になることを望みます」と期待を込めた。

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