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聖南西低学年デイキャンプ=スポーツやゲーム体験=定番の「タグ取り」人気=ピラール・ド・スルに=8校から91人参加

2006年5月16日(火)

 【ピラール・ド・スル】聖南西教育研究会(原たずこ会長)による低学年デイキャンプが四月十六日、ピラール・ド・スル文協のグランドで開催された。これは、聖南西地区の日本語学校の九~十二歳の生徒が集まり、一日スポーツやゲームなどを行う行事。日本の小中学校の授業に取り入れられている「タグ取り」も種目に加えられ、生徒たちは熱心に取り組んだ。
 進行はポルトガル語の通訳を入れながら、主に日本語で行われた。この聖南西研究会では「日本語学校は日本語を学ぶだけではなく、他の学校の生徒と交流を図り、いろいろな経験をして楽しい思い出を作り、人として成長させることも大切な役割」という理念のもと、林間学校(十二~十五歳の生徒)や青空スポーツ教室(十三~十六歳の生徒)といった行事がある。より下の年代の交流行事がなかったことから去年から新たに実施した。
 今年十三歳になり参加できなかった生徒から、参加できなくて残念がる声も多く、早くも生徒の楽しみの行事になったことがうかがえる。
 この日、地区の八学校から九十一人の希望者が参加し、九時半過ぎに原会長、豊田一夫ピラール・ド・スル日本語学校校長の挨拶により開会した。
 馬場体操を行った後、八つのチームに分かれ、午前中は運動会の競技にあるようなゲームや百足(むかで)じゃんけん、ドッヂボール大会を行い、歓声や応援の声とともにグランドを元気に駆け回る子供たちの姿が見られた。午前のプログラムが終ると、みな「お腹がすいた」と、昼食の指示があるやいなや会館へ大急ぎ。
 午後は、所変わり体育館へ移り、平仮名を使った『文字ジグソー』や『しりもじ』といったゲームが行われ、わかる子がわからない子に教えたりするなどすっかり打ち解けた様子。
 その後、再びグランドへ移動し「タグ取り」大会が行われた。これは六、七年前にこの地区の日本語学校に導入されたタグラグビーというスポーツの練習段階で行われるもの。すっかり定番になり子供たちに人気が高いスポーツだ。現在、日本の小中学校の体育の授業でも普及し、非常に人気があり、昨年小学生の全国大会が開かれた。
 初めて競技する生徒も多く、腰につけたタグの取り合いに熱中し、中には勢い余って転ぶ子もいたが、大いに盛り上がっていた。最後にチーム対抗リレーが行われ、この日のプログラムが終了。
 全員で記念撮影の後、閉会式が行われた。加藤真理JICAシニアボランティアが挨拶の冒頭に「楽しかった人・また参加したい人」と聞くと、生徒全員が手を挙げ、一日走り回ったにもかかわらず全く疲れたそぶりも見せず、日に焼けた笑顔を見せていた。
 初めて地区行事の責任者となり何週間も準備に追われたバルジェン・グランデ日本語学校の中島直美教師と森谷裕美子JICA青年ボランティアは「無事終ってほっとした。細かいところでいろいろ準備不足な点もあったけど、いい勉強になった」と述べ、疲れながらも安堵の表情を見せていた。

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