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農業生産が苦しい中=アサイ農産展=出品物数、記録を更新=日系農の「農魂」を示す

2006年6月22日(木)

 【ロンドリーナ】戦前から続く伝統ある農産展「第六十三回アサイ農産品工業展」(アサイ文化連合会主催)が、九日から十一日まで、アサイ市内ウエノ・ヨネゾウ会館で開催された。出品点数は史上最多の三千九百七十一点を記録、「アサイ日系農の農魂を示した」と関係者に称賛された。
 アサイ管内は、かつて「棉」と「カフェ」で栄えた。前者は価格の低下と栽培コストの高さが災いして、また後者は度重なる降霜によって、栽培が行われなくなった。日系農業者たちは、多角経営に活路を見い出した。現在の主力生産物は果物と野菜。すでにりんご栽培も行われている。今回はそれらを中心に、例年二千五百~三千点だった出品を、大きく上回る三千九百七十一点に増やしたのだった。
 個人出品順位は一位高見たみ子、二位上野サチカ、三位平賀ノブ子。総合点順位は一位平栗マリオ、二位津田カズヤ、三位田村ジャイメ。
 十日のテープカットは、小岸カイロ連合会会長、アクレス・カンジアニ下議、西森ルイス州議、バルボーザ・ネット州議、アサイ市からは市長、市会議長ら、中川武憲実行委員長の手で、さらに開会式で中央席に着いたのは小岸会長、西森州議、市長、警察署長、各市議、嶋田巧アリアンサ名誉会長、平間靖旺アセル代表、宍戸ジュリオ・ウライ文協会長ら。
 小岸会長は、連邦議員、州議員らに「近年は、生産物価格と生産コストの釣り合いがとれない。農業者のストライキも起こる」と中央政府に善処方を訴えた。カンジアニ下議、西森州議らが、訴えに理解を示し、善処を約束した。
 今回の工業展に出品した企業は六十一社。三日間、夜間は特設舞台で歌謡ショーや盆踊りが繰り広げられた。しかし、第二日の開会式への一般の出席者は少なく、寂しかった。(中川芳則通信員)

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