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井上祐見クリチーバ公演=初舞台に300人が総立ち=カルロス・トシキさん「鳥肌立った」

2006年7月15日付け

 【クリチーバ発】コロニアと共にはや八年、井上祐見さんの公演がクリチーバ日伯文化援護協会(山脇ジョルジ会長)で八日午後四時から行われ、約三百人が共に歌い、笑った。同地での公演は初めて。
 着物をアレンジした衣装でのステージがお馴染みの祐見さんだが今回初めて、花柳龍千多さんが協力、空色の着物姿で登場となり、会場の目を釘付けに。
 幕開けにオリジナル曲「冬の送り火」、続いてデビュー曲「青春譜」を披露。文援協舞踊部の林雅子、大島圭子、菊地洋子、築出まりこさんらの華麗な舞と共に「ふたりの大漁節」(坂本冬美)を歌い上げた。
 丹下セツ子さんが「男の情話」、花柳龍千多さん「白萩の宿」で特別出演、それぞれ貫禄の踊りを見せた。
 会場との一体感を意識した一部からうって変わり、二部では歌の心を伝えるステージとなり、会場は静かに耳を傾けた。
 南米公演のタイトル曲「あなたに会えてよかった」では、自ら奏でるオルゴールを伴奏にしっとりと聞かせ、「根来恋歌」で会場の心を引き寄せた。
 続いて、美空ひばりの「東京キッド」や「港町十三番地」をメドレー。着物姿の子供たちと一緒に歌う場面もあり、会場は和やかな雰囲気に包まれた。
 最後は都はるみの「好きになった人」で締めくくり、会場も祐見さんに声を合わせながら、総立ちで拍手を送った。
 デュエットした三浦孝さんは、「素晴らしかった。心に響きました」と公演後、興奮冷めやらぬ様子で話した。
 一九八〇年代、日本で一世を風靡したグループ「カルロス・トシキ&オメガトライブ」のヴォーカル、カルロス・トシキさん(クリチーバ在住)も最前列でステージを見守った。
 「『ソウ・ジャポネーザ』で鳥肌が立った。(移住者だった)おじいちゃん、おとうさんが聞いたら、泣いたと思う」と絶賛した。
 祐見さんの歌が入ったブラジル戦後移住五十周年記念式典CD「あの感動をもう一度」四十枚が売り切れるなど、クリチーバでも祐見ファンが生まれたようだ。
 山脇会長は、「この時間にこんなに人が来るなんて」と目を丸くし、「来年も是非来てほしい」と次回公演への期待を込めた。

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