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進展見せるパラナ100周年=大学建設と日本公園=ローランジャでもプロジェクト=西森氏「骨組みはできた」

2006年10月19日付け

 二〇〇八年のブラジル日本移民百周年に向けて、着実に計画を進めているパラナ日系社会。ロンドリーナ市に連邦技術大学を誘致し、学内に日本教育文化技術センターを設置する計画、マリンガ市に日本公園を建設する計画に次いで、現在、ローランジャでも大きなプロジェクトを検討しているという。パラナ日伯文化連合会会長(リーガ・アリアンサ)の西森ルイス弘志パラナ会長(選挙中休職、パラナ州議)に話を聞いた。
 「二年前から計画を始めて、骨組みはもうできています。あとは細かいところを埋めていくことです」。
 百周年まであと一年八カ月。連邦技術大学の誘致はブラジルの法的手続きはすべて終了している。今年末の連邦議会で予算案が通れば、来年から建設を始められる見込みだ。西森氏は「百周年式典で建物の落成式を行いたい」と力を込める。
 工学、生物学など様々な分野での技術を学べるロンドリーナ連邦技術大学の設立。その中に、日本からの技術を取り入れた日本教育文化センターを設置する。日本の大学とも提携を結び、技術交流を図りたい意向だ。
 日本からの援助も、領事館を通じて申請している。「パラナから日本にお願いしているのはこれだけですから」。
 現在、パラナ州内に連邦技術大学はない。将来的にはクリチーバにも開校する方向で考えているが、ロンドリーナの大学設立がパラナでの第一号になる予定だ。
 マリンガ市の日本公園建設は、五月に定礎式を済ませ、六月にマリンガ市の姉妹都市である兵庫県加古川市から公園の詳細な設計図が届いた(六月二十九日既報)。七月に日本から庭師がJICAシニアボランティアとして来伯。日本庭園の造園をすでに進めている。
 日本庭園の予算はマリンガ市が出資。公園内のスポーツセンターはすでに連邦の予算がおりており、〇七年中には完成するという。文化センターの資金は「民間から集める」としており、広く協力を呼びかけているところだ。
 さらに、百周年式典が行われるローランジャでは、リーガ・アリアンサが中心となって「大きなプロジェクト」を検討中だ。パラナの移民資料館、先没者慰霊碑、移民八十周年、九十周年の記念塔がそびえるローランジャ。計画の内容は、資金源が決まれば正式に発表される。「実行に移すことができれば、パラナ百周年の最大の目玉になることでしょう」と西森会長は話した。
 「百周年には皇室をお迎えして、式典に合わせて、ローランジャ、マリンガの計画完成をぜひ見ていただくつもりです」。パラナでの百周年式典は〇八年六月二十二日。式典の内容も、話を詰め順調に進んでいるという。

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