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40年かけた俳句辞典=「ブラジル歳時記」が完成

2006年10月31日付け

 「まさに俳句作りの辞典です」――。四十年の歳月をかけて完成した「ブラジル歳時記」(俳誌朝陰主宰者、佐藤牛童子氏編著)がこのほど刊行された。同氏夫人の寿和さんが案内に来社した。
 時候、天文、地理、植物、動物、人事などの季題が四季の順に分類されており、その数は約二千五百。「ブラジルには他の国には類を見ないほどの季語季題がありますが、同書にはそれらがほとんど網羅されています」。
 巻頭にはブラジルならではの花や果実など、約二百五十種がカラー写真で紹介されている。これらの写真はブラジル各地にいる俳句愛好家が撮ったものだ。
 ブラジル俳句会の先拓者の佐藤念腹氏を中心に例句も充実している同書。表紙はブラジルの国花であるイッペーの黄色が映える。
 木陰句会代表の栢野桂山氏は「句作以外にも作歌や作文、作詞などの参考書にもなる」「この歳時記はコロニアのみでなく、ブラジルの文学史で特筆されるもの」と自信を持って薦めている。
 同書の購入・問い合わせは日毎叢書企画出版(電話11・3209・5228)まで。一冊五十レアル。全六百九十四ページ。

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